One more time③【赤井秀一】 (ページ23)

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キャメルが工藤邸まで送ってくれるとの事だったので

その言葉に甘えて仕方なく帰ることに

工藤邸までの道を走っている時、ふと見慣れた喫茶店が目に入った

『…あ！キャメルここでいいわ！』

「え？」

少し通り過ぎたあたりでわけも分からずキャメルは車を停めた

「まだ着いてませんけど…」

『なんか…買いたいもの思い出しちゃって！
自分で買って帰るからここで降りるわね。送ってくれてありがとう。』

「えぇ？！」

驚いたキャメルだったが礼を言って車を降りた

来た道を少し引き返して喫茶ポアロの前にたどり着く

なんだかこのまま帰るのも嫌だった

時間を潰せるとするなら…と考えている時に目に入ったのがここ

店のドアを開けて覗けば、いらっしゃいませといつもの女性の声

それに続くように振り返った彼は私を見るとおっと言うような表情

よかった、いた…

「お好きな席へどうぞ〜」

奥の方の席に腰かけてメニューを開く

お昼はすっぽかしちゃったからお腹すいたな…

スパゲッティが美味しそう…

「ご注文お決まりでしたらお伺いします。」

目の前に水が置かれながら横で零の声がした

『あ…』

「二日酔いは大丈夫だったか？」

私にだけ聞こえる声で零は言う

『全然大丈夫じゃなかった。』

そう言えばだろうなと笑う零にスパゲッティとコーヒーを頼んだ

『ねぇ、この後少しだけ時間ある？』

「あぁ、この後の予定は特にないが…」

『私の暇潰しに付き合ってよ。』

「暇潰し？また飲むのか？」

『違うわよ。20分くらい話に付き合ってって言ってるの。』

「20分か…本当に暇潰しだな。」

『色々あるのよ。』

「じゃああと1時間くらい待っててくれ。」

私にそう伝えて彼はカウンターへ戻って行った

心の準備をする時間を作りたかったのと、秀一のことを少し相談したかったために零と話したかった

でもあんまり時間がかかればジョディに怒られそうで

零と話すのは20分だけにしようと決めた

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