One more time③【赤井秀一】 (ページ9)

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降谷 side

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『秀一ね、私の何倍も素敵な人と出会ってるの。
彼女はもういないけど、秀一は今も忘れられない…いや、忘れちゃいけないような人って言えばいいかなぁ。』

Aの声が静かに響く

『優しくて、強くて、私はぜんっぜん敵わない。だからすごく羨ましい。
…でも、本当に素敵な女性だから秀一には思い続けて欲しいなんて思ってる私がいてね。』

ゆっくり語り続けるAの話を何も言わずに聞いた

何も言わずにというか、喉の奥が詰まって声が発せない

『…秀一に対して無感情になりたい』

ようやく顔を上げたと思えばAはへへっと笑って口に酒を含む

『…美味しいなぁ』

なんて言って酒を味わう素振りで顔をしかめるが…

僕には涙を堪えてるようにしか見えなくて

「A」

『ﾌﾌｯ、酔っ払っちゃったねー…』

名前を呼んだが彼女はまたテーブルに伏せた

「…A、」

『…』

もう一度呼んでみても反応がなくてそっと頭に手を伸ばす

「…ん？」

チラッと顔を覗けば小さく寝息を立てて寝ていた

寝るの早すぎだろう…

「…飲みすぎだ。A、起きろ。」

今度は身体を揺すってみる

が、全く起きる気配がない

なんなら、もう朝まで起きない気がする…

躊躇はしたが、仕方ない

自分のベッドを整えた後にAの肩と足を抱えて運んだ

ベッドに寝かせると、側に座った

普段はクールな女性なのに、案外寝顔は幼い

「明日は説教だな。」

寒くしないよう布団をかけておやすみ、と頭を撫でた

今日はソファーで寝よう

テーブルの上の缶や食器を片付けて眠りについた

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