その後番外編:白の彼 まふまふ ページ37
最近Aにキスを拒まれている。
それに悲しくもあるが、毎日のようにして来たから唇が寂しい。
キスしたくてうずうずしているが、拒まれているならば無理させちゃいけない。
・・・まぁ僕としてはAが寝てる時にしてるから別にいいんだけども。
ていうか前にもあったし、僕だって大人の余裕的なものがあのキス禁止令で出来た気がしなくもなくもなくもない的な?
いやごめんやっぱないかも、だってキスしたい。
「あー・・・遂にか・・・」
『うん?どうしたの?』
「リップきれたの」
リップ?
そう思いながらAのことを見ていると、確かにAの手にはリップが握られていた。
そういえばキスした後には頻繁に塗っていたような気がする。
『リップのせいでキス拒んでたりして・・・』
「・・・唇切れるから・・・別にまふとキスしたいからじゃないから!」
唐突なツンデレに困惑しながらも、頷いておく。
切れたらキスしてくれないって思ってたとか可愛いな僕の彼女。
好きが溢れすぎてツラいです。
ニコニコとして平常をなんと保ちながら、ポケットに入っているリップをAに見せる。
『僕の貸してあげよっか』
「なんであるの・・・?」
『ここはキス魔としては譲れないところなんで』
意味が分からないのか、なんとも言えない表情で僕のことを見てくるAに笑顔を見せる。
キス魔としては唇は大事なので、いつでも持ち歩くのが普通だと誰かが言ってました。
あ、そうだ。
僕にとてつもなく得がある考えを思い付いた。
僕はリップをAには渡さずに自分の唇に塗ると、案の定Aは困惑した。
あーもう、可愛いなぁ・・・
Aの頬を撫でたあと、Aの唇に軽いキスを落とした。
頭が追いついていないのか固まっているAに、笑いがこぼれる。
『・・・キスすれば移るかなぁって思って』
「え・・・や・・・え?」
やっと頭が追いついて来たのか、顔を真っ赤に染めるAに愛しさが募る。
Aの顔を両手で包み、鼻と鼻がくっつくくらいまで顔を近付けた。
『ね、A・・・もーいっかい、する?』
Aが甘い声に弱いと知りながら、僕はAに甘い声を囁く。
だってAとキスしたいから。
Aは目に薄く涙を溜めたあと、僕の服を控え目に握った。
「・・・・・・する」
『ん。・・・じゃあ、もう一回ね』
一回で終わる気なんてさらさらないけどね。
いつの間にか君だけのキス魔になってたなんて、君に溺れすぎた僕は気付かない。
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あづの ひみ(元朝日菜薔薇)(プロフ) - ちょこさん» そう言ってもらえたならよかったです!その後のお話ですね!分かりました!頑張って書かせていただきます!! (2020年12月7日 16時) (レス) id: 1e60141193 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ - とてもよかったです!その後話が欲しい! (2020年11月26日 21時) (レス) id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
あづの ひみ(元朝日菜薔薇)(プロフ) - 四つ葉@まふらーさん» ありがとうございます!ここまでお付き合いいただき嬉しいです!自分の恋よりも親友の恋っていうのを上手く書きたかった…読んでいただきありがとうございました! (2020年7月19日 0時) (レス) id: 519239ae11 (このIDを非表示/違反報告)
四つ葉@まふらー - 完結おめでとうございます!面白かったですし、天月さんが気持ちを隠してまふまふさんを応援するところでうわああああああ泣 素敵な作品本当にありがとうございます! (2020年7月11日 12時) (レス) id: 4ad016d14c (このIDを非表示/違反報告)
あづの ひみ(元朝日菜薔薇)(プロフ) - 雪乃さん» ありがとうございます!ここまでお付きあいいただき嬉しいです!読んでいただきありがとうございました! (2020年7月11日 4時) (レス) id: 519239ae11 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あづの ひみ(元朝日菜薔薇) x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/AdAsnhmp/
作成日時:2019年7月31日 23時