【utit】自 作 自 演 の キ ス 魔 、 ま ふ ま ふ【mfmf】

キス魔 ２１ ページ22

バクバクとうるさい心臓と、顔に集まった熱。
もう目の前にはまふの家があるというのにも関わらず、未だにインターホンを鳴らすことが出来なくて、家の前でどうしようどうしようと思いながら突っ立っている私。

『･･･あっつい･･･絶対からかわれる･･･』

いつも余裕のあるまふのことだから、きっとにやにやとしながら聞いてくるだろう。
私は出来る限りの冷ましたあと、インターホンを押した。
するとすぐに勢いよく玄関の扉が開いて、中からまふが出てきた。

「あ･･･えと･･･どうぞ･･･」

少しよそよそしいのは、私が急に出ていったからなのか、それとも･･･
最悪のことを考えてズキズキと心臓が痛んで、それを紛らわすように服の裾を握った。
家の中は相も変わらず広くて、物が少ない。
今更だけどものすごく緊張してきて手汗がすごいし心臓もうるさい。

「･･･A？座らないの？」

『え、あ、うん』

これから始まるのは、話し合いなのか、あの話の続きなのか。
気になるけど、少し怖いような気がして聞くのをためらってしまう。
皆に背中を押してもらったのに、私が不安になっていたら意味がなくなってしまう。
私は心の中でなんとか決意をして下がっていた顔を上げた。
すると、不安そうな顔をして私のことを見つめるまふと目があった。

「･･････Aあのね、したいことがある」

『したいこと･･･？』

「うん･･････いつも･･･みたいに･･･一緒にゲームしてほしい」

まふの言葉が予想外すぎて言葉を失った。
これは、私に気を遣ってくれているのか、それとも本当に遊びたくて呼んだのか。
･･･でも･･･

【はい！Aの負け〜！】

【もうちょっと手加減してよ！】

【ゲームに関して手加減はありませーん！】

私も、好きな時間だったことは確かだから･･･

『･･･うん、ゲームしよ。楽しく、ね！』

「うん！」

嬉しそうに微笑むまふの顔を見るのは、いつぶりだったけ。

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