アイドル失格 FileNo.4

Story 114 ページ4

それは突然でなんの変化もない朝に起こった。





『…』

MN｢おい、なんでそんなに怒るんだよ〜｣

『…』


どうせヒョンには分からないんだ


MN｢ジャージの丈が合わなくなったぐらいで怒る奴がいるか？喜べよ、身長が少しは伸びたんだ｣

ままだだチビだけど、チビ脱出に近づいたってことで！！


なんてふざけんなっ

僕はもう中三から身長が止まってるんだから


そりゃあ

まわりの男の子は僕よりどんどん大きくなって

少なくとも羨ましいと思ったことはある。


すごく。思ったことは無いけど
少し。だけならね



それに


『…お気に入りだったんだ』

MN｢ンなこと知ってるよ！中学の時から履き続けてるやつだからな｣


かなり前から変えどきだったんだ。
いい機会だと思いな。


無神経。



ずっと一緒にしてきたものを手放すなんて

唯一のお気に入りと言える服だ。


服に執着しない僕が唯一！！これだけはって執着したやつだぞ？

酷すぎる



揺れるバンに頭をガラスへとぶつけてしまう



ｺﾞﾁﾘと当たった頭は妙に痛い

ああ、今日は不運続きだ




…



JH｢ぶはははは！！やーA〜どうしたのその顔ㅋㅋ｣


綺麗な顔が台無しだよ




そう言いながら僕の気を知らないホソクさんは！ゲラゲラと僕の不細工な顔面を見て笑ってる


別に最初からブサイクなのはわかってる

綺麗な顔ってなんだよ

ブサイクなのに綺麗とか意味わかんないし

ホソクさんはカッコイイからそんなふうにブスにも優しいんだ


…ムカつく

…うるさい




『はぁ』



ため息を吐けば、気持ちを切り替えろよ〜

と背中を叩かれ鏡の前で準備運動を始めれば、音楽がゆっくりと流れ始めて


ダンスの時間がやってくる




JH｢A、体力ついたんじゃない？｣


肩幅も少し広くなったような、背が伸びたような




『…ちっ』

JH｢ビクッ…え、なんか悪いこと言った？｣




申し訳ないとも思いつつも、忘れかけていたことをわざわざ掘り出して話題にするなんて…

最悪だよ



『別に…すいません』



ホソクさんが悪い訳では無いのだけれど

やっぱりこの歳で身長が少し伸びた。なんてダルい


パンツ買い替えなきゃだし…

買うのに外でなきゃだし…

通販だと前みたいにスタイリストのヌナとかヒョンがうるさいし…



ああ憂鬱だ


これだから嫌なんだ

少し自分が変わったかもなんて自惚れたら
嫌なことが起こる。


もう本当に

なんて僕はダメなやつ。






どうか誰か変わってくれ

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