探偵社の自称最強異能力者さん【文豪ストレイドッグス】

たえまなく過去へ押し戻されながら＿＿拾 ページ39

ルーシー「お遊戯はこれからが本番よ！貴方は鬼ごっこの天才みたいだけど＿＿＿＿」


絶望的な状況だ……………。


唯一の希望だったAくんが消えて、鍵でドアを開ける術も無いに等しい。


ルーシー「＿＿＿＿この状態で何分心が持つかしら？」


中島「っ……うわああ！！」


空間にあった黄色いリボンに首元が引っかかり締め付けられる。


苦しさにもがくと叩きつけられるかのように地面に落ち……目の前にはあの怪物がいた。


もう、打つ手が無い。いつかは捕まる。


ここから逆転なんて、僕には無理だ。


もう太宰さん達を頼るしかない……！！


ルーシー「お友達を捨てて逃げる気？！」


この状況でも、太宰さんならきっと何か思い付く……でも僕には無理だ。


頭に浮かぶのは最悪の事態ばかりだった。


だから、僕は逃げた………逃げ……ようとした＿＿＿＿


白衣の男性「ダメだよ、少年。敵はあっちだ」


中島「うわぁ！！」


＿＿＿＿身体に引っかかったままだったのであろう黄色いリボンを白衣の男は引っ張り、僕の逃亡を阻止した。


白衣の男性「このケースでの逃亡はおすすめしない……あっ、いやその……たかが町医者の言葉を信じて貰えるならばだが……」


中島「…………」


白衣の男性「彼女の言葉を信じるなら、そのドアから出れば君は記憶を失う。敵の手札も、捕らえられた仲間の危機も忘れ、敵は進撃を続ける」


この人の言う通りだ。


僕がここから出れば谷崎さんのこともナオミさんのことも賢治くんのこともAくんのことも忘れ、何の手掛かりも得られないままになってしまう。


白衣の男性「良いことを教えよう！ゲーム理論では、危害を加えてきた敵には、徹底反撃を行うのが、理論最適解とされている。徹底的に叩くのだ！」

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