探偵社の自称最強異能力者さん【文豪ストレイドッグス】

たえまなく過去へ押し戻されながら＿＿陸 ページ35

………ここは、どこだ？


異空間だ……子供部屋のような……でもどこか不気味なこの空間に、僕達を含めた先程まで横浜の街を歩いていたであろう人々が転送された……と考えるのが妥当だろう。


僕達はつい先程まで横浜の街で賢治くんの捜索をしていた。


そして、そこで突如消えたナオミさんを追った谷崎さんが、ギルド赤髪の少女を見つけて……それで＿＿＿＿


？「＿＿＿＿皆さんようこそ！アンの部屋へ！……あら嫌だわ！こんな沢山の人達に見つめられて……あたし初対面の方とお話するの苦手なの……でもダメね、ちゃんと説明しないと皆さんお困りだわ？だって、こんな見知らぬ場所に突然連れてこられたんですもの！あたしだったら心臓が飛び跳ねてしまうことでしょう＿＿＿＿」


谷崎「＿＿＿＿ナオミはどこだ」


あどけない笑顔で楽しげに話す彼女は、どう見ても悪人には見えない。


しかし、彼女がこの空間を作り出したということは事実だ……ギルドの異能力者……異空間に人を転送できる異能力者か。


？「……あらごめんなさい！その説明が最初よね！探偵社の皆さんはあちらよ？」


彼女の言葉を聞いた谷崎さんは、彼女が指さした黒い扉の方へ走っていった。


谷崎「賢治くん……ナオミ！！」


中には消えた探偵社の人達がいる……扉は無理矢理開けようとしても開かないようだ。


谷崎さんは悔しそうに扉を叩いて、ナオミさんの名前を呼んだ。


？「鍵無しでは開かないわ。開くのはあっち！」


彼女が指さしたのは、もう一つの白い扉だった。


ガラス越しに見えるのは、先程まで歩いていた横浜の街……だが、時間が止まったかのように風も吹かず、人々も止まったまま……まるで写真の世界のようだった。


？「あたしの名前はルーシー！ここはあたしの異能力で作った空間なの！でも安心なさって？何時でもその白いドアから出られるわ！お仲間を取り返したくなければですけど！」


谷崎「どうするつもりだ！」


ルーシー「簡単よ！この部屋のアンと遊んで頂きたいの……いらっしゃい、アン」


先程のあどけない笑顔とは打って変わって、彼女は、不気味に微笑んだ。

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