【ツルネ】遣らずの雨 (ページ6)

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大きな台風が直撃した金曜日。

台風は静まることを知らず、夜に向かうほど強くなっていく予報だ。

生徒たちは、お弁当を食べると早下校となり、みんなそそくさと帰って行った。

私は教室に課題を忘れて、夕方過ぎの1番嵐が酷い時に慌てて取りに行っていた。

持った傘はひっくり返り、やがて飛ばされた。

制服は水が滴るほどに濡れる。

課題だけは濡らさぬようにと、しっかりと抱きしめる。

しかし風と雨は容赦なく私を襲い、次第に立っていられなくなり、ついにはしゃがみこんでしまった。

「…っ、」

感じたことのない風と雨粒の強さは、体が痛くなるほどだ

家まであと15分ほど

這いつくばってでも帰ってやる

その時だった

1台の車が私の前にとまる

？「大丈夫か！？」

私の腕をとると、立ち上がらせてくれた。

「…ぁ、」

心臓が割れてしまうくらいに高鳴る

目の前には、あの滝川さんがいたからだ。