【ツルネ】遣らずの雨 (ページ11)

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月曜日の放課後。

紙袋に滝川さんから借りた服が入っている。

今から弓道場に返しに行くのだ。

トイレでいつも以上に身なりを確認し、深く深呼吸を繰り返す。

弓道場のドアをそっと開け、恐る恐る顔を出す。

竹早「…三栖さん？」

「た、竹早くん…」

竹早くんは、いつもと違って眼鏡を外し、弓道衣を身にまとっている。

なんだか新鮮だ。

奥から、チラッと顔を覗かせるのはずっと会いたかった滝川さん。

滝川「…あー！三栖じゃないか。まさかこんな早く会えるとは」

私の名前、覚えていてくれたんだ。

嬉しさの余り頬が緩む。

「はい…！これお返しします。ありがとうございました。」

私は紙袋を渡すと、お辞儀をした。

滝川「わざわざ届けに来てくれたのか、ありがとうな。…そうだ、弓道でも見学してくか？」

「えっ…」

花沢「なになに、新入部員！？ひえー、しかも可愛い！名前は！？」

着替え終わった女子部員たちが出てきて、私を取り囲む。

「三栖です！あ、あの、」

そして私は美術部が始まるまでの時間、何故か弓道場で弓道を見学した。