【鬼滅の刃】鬼殺隊が大嫌いな舞姫 (ページ23)

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A

黒「てめえ…！俺のことを甘く見すぎだ！！ただの鷹だと思って舐めんな！！」

天元「おー、よしよし。いい子でちゅね～」

黒「おい！！」

何だこの目の前で繰り返される茶番は

杏寿郎「A少女！君の過去の話を聞きたい！」

そして何を言うんだこの人は。

さつまいもらしい何かをむっしゃむっしゃと食べながらこっちを向く煉獄さん。

誰にも喋るつもりは無い。

「……別に」

杏寿郎「ならなんでお館様にまで反抗するんだ！何も無いなら＿＿＿」

……こいつまで、お館様を尊敬してんのか

そんなに兄さんの味方をしてくれなかったやつの

「ふざけんな」

杏寿郎「！(空気が変わったな。眼光が強い。)」

座っていた腰を上げて、煉獄さんとやらを睨みつけた

ぎりぎりと奥歯を噛む。

鬼を倒したい、それは同じだ。

でも

「何も無いなら、だと？何も無かったら兄さんは死んじゃいない

柱としてここに立ってるはずだ」

杏寿郎「それはお館様を恨む理由なのか？」

「ああそうだよ。あいつが味方してくれりゃ死ななかったんだから」

事実だ。庇ってくれれば兄さんは悲しむことなんてなかったんだから

「……っ好きな人に、尊敬してる人に裏切られて平然と笑って生きていけるような人間は存在しない。

大好きな人に裏切られたらどうするか分かるか？兄さんみたいに死ぬだけだ」

自分の無実を肯定されず、私よりも身近にいる人に信用されないのだ

＿＿＿＿＿＿兄さんの場合、愛した人が自分を裏切っていた

それでも兄さんは、人を愛すことをやめなかった

それでも私は。

「愛した人から先に死んでいくの

そんなの耐えられない」

私の場合は愛した人から先に私の所を離れていく

だから私は自分から壁を作ったの

愛されないように愛さないように生きてきた

「もういいでしょ。関わらないで」

踵を返して屋敷の中に行こうとすると

杏寿郎「それでも俺は君と仲を深めたいと思っている！これからよろしくな！」

馬鹿みたいにでかい声で言われた。

「だからなんなんだよ……」

歩いていくと後ろから黒が心配そうな顔をして肩に止まった

何も言わず、ただそこにいるだけ

私はこの距離感がいつまでも続けばいいと思っている