【ハイキュー】影山飛雄が激愛する彼女

あの日あの時 ページ42

王様が置き去りにされた、あの大会




Aも、応援していた一人だった




影山「＿＿もっと早く動け！！もっと高く跳べ！！俺のトスに合わせろ！！勝ちたいなら！！」




気づいた時にはきっと、もう遅かった




相手のセットポイント。



トスを上げたその先には誰も居なかった

翼で跳ぶことも無く、足でその地面を踏み込むことも無かった。



監督「お前 もうベンチ下がれ」




あいつにも、Aにも絶対に聞こえてた




ただ、乏しい歩きでベンチに戻り、誰にも表情を悟られないように影山はタオルを被った




悔しい。もっと、もっと、もっと、もっと。




＿＿＿コートに立っていたい




Aは、幻滅しただろうか。こんな影山で、こんな王様で。


信用の欠片なんて、微塵もない。




……＿……＿




影山がベンチに下げられたその時、Aは観客席を離れた




影山のいないコートに、用はない




「…ごめん彩、具合悪いからトイレ行ってくる」



彩「……うん、上手く言っとくから」



ありがとうのそのたった一言さえも言えずに、トイレに駆け込んだ



個室にこもり、考えた




なんで、影山が。

実力だって、才能だってある彼が。




……でも本当は気づいていた




国見『王様どうにかしてよ』
金田一『俺らじゃ、どうしようもなくてな』




初対面でも分かるような不機嫌そうな顔と、困ったような表情




詳しいことは聞けなかったが、なにか決定的な事があったのだろう




『……ごめんね』




偉そうに任せてだなんて言えなくて、謝ることしか出来なかった




……＿……＿

彩試合、終わったよ
北一負けた




どれくらい経ったのだろう、マナーモードにしていた携帯が、連絡を告げる




あぁ、なんで。





Aごめん、ありがとう
行かなきゃいけないところがある




震える手でメッセージを送信すると、すぐに既読が着いた





彩うん、分かってんよ。メンバーもう出てきたから早く出てきな




行かなきゃいけないところで伝わるあたり、頼りになる





Aごめん、ごめんね何度も





彩はー???そんなこと今更気にすんなって!また上手く言う〜
影山、頼んだよ





Aうん、ありがとう




行かなきゃいけない所は、すぐそこにある

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