【歌い手】お嬢様はお飾りで

婚約者 ページ50

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「……どういうつもり？」


連れてかれたのは生徒会長室


前はルスと一緒だったけれど、今回は違う奴
私の嫌いな奴！！！


「体調、悪くなったんだろ？寝ろ」


そう言って、私をふっかふかな高級ソファに下ろした


生徒会長室に金かけるとか…………無駄じゃね
あんま此処に居ないのに高そうな物ばっか置いてんじゃねえよ！！


「そんな睨むなよ」


妙に優しい

なんで？なんか企んでんの？


まあ、体調が悪いのに変わりはないから寝るんだけどね

ふっかふかなソファに横になる
体が沈み私を包み込んでくれる

何これベッド並に柔らかいんだけど


っ！


何処から出したのか、毛布を掛けられた

毛布？夏だよ？初夏だけど
充分暑いんだけど？？


「寝ろ」


にひるに微笑むコイツ、殴りたい

でも、無理


殴りたい気持ちより眠気の方が強い


「優しいとか気持ち悪い。へんな薬でも飲んだのかよ」


おっと、眠くても口は達者だった


「減らず口を叩くな。Aちゃんはいつまでアイツ等に愛想を振り撒くつもり？ん？Aちゃんは俺のだろ？」


……こういうとこ嫌い


「あんた何かよりもふもふの方が可愛いし、番犬の方が楽しい」


「喧嘩売ってんの？」


「まさかまさか」


めんどくさい。寝ろって言ったくせに
いいや、寝よ


「Aちゃん」


「うるさい」


「……俺の名前、呼んでよ」


私の言葉が聞こえなかったのかコイツ


私は、コイツの弱った顔がとてつもなく嫌い



「＿＿＿＿＿＿nqrse」



「ん、ありがとう」



変わりたいのに変われない


夢の高校生活を送る筈なのに

恋をするはずなのに

かれぴっぴがほしいのに


ぴえんぴえん


暗いのは私らしく無いから

自分に蓋をして仮面を付けて生きてくの



唇に温もりを感じ、私は眠りに落ちた




.Continue.

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