【歌い手】お嬢様はお飾りで

実は久しぶり ページ28

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「ちょっと？！」


突然後ろから腕を引っ張られ大声を出され、私はこれまでに無いくらいにビビリ倒した


ビックリしたら声が出ないってホントらしいよ
現に今、出なかったし

……いや、人それぞれだろうけど


「あ、れ？Aちゃん？大丈夫、聞こえてる？」


おっとおっと、おっとと
存在をすっかり忘れる所だったよ


「聞こえてるよ。どうしたの？久しぶりだねもふもふ」


「うんっ！久しぶり〜！！

　じゃなくて！！！」


もふもふは今日も今日とて元気だ
てか、もふもふにツッコまないんかーい


まぁ、久しぶりなんだよね

ヤンチャお嬢様集団にボコされたあの日から完治とまではいかないけど、見えるところの傷は治ったので10日ぶりに登校したのだ


無断欠席じゃないよ？
家の用事っていう理由

親にバレたらヤバイから、アリバイ作りとか嘘をつくのとか大変だったんだから


「なんで、休んでたの？家にAちゃんを連行しに行こうとか話し合ったんだけど、みんな家分からないって言うし……」


そこまで言うともふもふは目に涙を溜めた

これは演技？めっちゃ可愛いんだけど


「てか、連行とか物騒な言葉だね。可愛いんだからそんな言葉止めなさい」


「……ぼく可愛い？」

「うん。ものすごく」


「ふふ、Aちゃんに言われる可愛いは好き」


あまりにも綺麗に微笑むから、思わず見惚れてしまった


もふもふはまふまふであり、もふもふなのだ

こんな意味分からない事言ったらまたボコされそうだな


てか、話を逸らせて(？)良かった


……てかてかてかさ、王子は学校の頂点なのに、私の住所は知らないんだ？


私の個人情報はどこまで隠してあんのかな〜？


なんて、隠されてないとヤバイんだけどね？！

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