【歌い手】お嬢様はお飾りで

番犬 ページ17

「そうや、Aちゃん」


「なんだいリス」


「……あれ？俺、生徒会長やけど？」


「あれ？そうだっけ？」


なんて私がルスと戯れてると、信じられないって目でこっちを見てくる王子達

いや、玉子だな
王子感がないもん
美味しく頂いてやるよ


「提案があるんやけど」


急な真面目な雰囲気を醸し出すので、戸惑う

無意識に、もふもふに握られてる手に力が入ってしまう
何故か私に優しいもふもふは優しく握り返してきた


「俺等は王子様やろ？」


…………そうらしいね


「Aちゃん、"お姫様"にならへん？」


「…………は？なんて？」


ぱ、パードゥン？


「お前さっきからluzさんに失礼な態度とってんちゃうで！！！！」


怒鳴られたと思ったら、胸ぐらを掴まれていた


「ちょ、坂田!!」


もふもふが坂田の腕を掴むけど、力を緩める気は無いらしい


「……君は私が嫌いなの？」


「俺の名前は坂田や！」


「え、別に名前聞いてないんだけど」


顔を真っ赤にして答える坂田
なんでそんなに怒ってんの？


「ルスって偉いの？」


目線をルスに向けるとニコリと返された


「偉いやろ！」


お前に聞いてないよ坂田


気づいてないかと思ってるだろうけど、坂田の後ろで笑ってる色とりどりの髪野郎共
声殺して笑ってんじゃないよ！助けろ！！


「苦しい、離して！」


ドンッと胸を押すと離れてくれた


「俺等は王子やで？！お前1人を退学にするのなんて簡単やからな！」


……なんでそんなに怒ってんの
なんでそんなに突っ掛かってくんの


あんま吠えると、どつくよ？ん？？

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