すれ違い、愛し合い。

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『先輩ごめんなさい。
私、先輩との結婚は考えられないです…っ』


「そっか」





あの日、私が出した決断。


先輩は深くは聞いてこなかった。







もしかしたら気づいてたのかな？









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「おっ、来てくれてありがとう」


『福岡でも頑張ってくださいね』


「頑張るよ。こっち戻ってきたら
またサークルのやつらとご飯行こうな？」


『はいっ』





私以外にもサークルのメンバーが
先輩のお見送りに来ていて。




なっちゃんには別れたことを伝えてたから
かなり質問攻めされて。









「A、少しだけ2人で話せない？」


『…はい』





先輩に呼ばれて、
みんなとは少し離れたところに行った。









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「最後にちゃんとお礼言おうと思って」


『えっ？』


「俺と付き合ってくれて、ありがとう。
Aと付き合ってからすごい幸せだった。
初めて結婚したいって思えた相手だった。
だから少し寂しいけど、Aには感謝しかないよ。」


『…せんぱい、』


「今日も来てくれて嬉しかった。
わざわざありがとうね？」


『…私も先輩に伝えたいことがあります。』


「ん？なに？」


『私も先輩と付き合ってからすごい幸せでした。
だけど入社当初から一緒にいた同期のことが
先輩と付き合ってからも忘れられなくて。
本当は先輩に言わないでおこうと思ったんですけど、ちゃんと本当のこと言いたくて。
…裏切ってごめんなさい…っ、』


「そうだったんだ。
裏切りだなんて、そんなこと言わないで？
俺はAと一緒に居れて幸せだったんだから。
お互い良い思い出として残しておこう？」





その言葉に涙が出た。


本当にどこまで優しいんだろう、先輩は。








「俺がこっち戻ってきた時に
Aがフリーだったら、また狙っちゃうからな？」




なんて笑いながら言われて。









「ありがとう、来てくれて」


『こちらこそ、本当にありがとうございましたっ』







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