すれ違い、愛し合い。

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ーー北山sideーー






あれからAには
あの日誰との予定があったかなんて聞けなくて。









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それからも2人で飲みには行ってたけど
今日は明らかにAの様子がおかしい。






「なに、なんか良いことでもあったの？」


『…え？わかる？』


「顔、緩みすぎ」


『ふふ、やっぱバレちゃうかー』


「で、何があったの？」


『実はっ、大学時代に好きだった先輩と付き合うことになったの！』









えっ？


付き合うって、つまりそういうことだよな？









もしかして俺との飲み断った時から
なんかあったわけ？





俺、どう反応していいのわかんねぇよ。









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「…っ、よかったじゃん」


『うん、ありがとうっ』







こんなに嬉しそうなAの顔
見たことないんだけど。








これでも2年近くは一緒にいた仲だぞ？


俺がただ自惚れてただけなんだ。






Aは俺のことなんて
最初からそんな風には見てなかったんだな。









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『…宏光？聞いてる？』


「あっ、なんだっけ？」


『だから、次こっちかこっち
どっち頼もうかなーって！』


「そんなん、自分で決めろよ」


『なにそれっ
せっかく宏光の好み取り入れようとしたのに。
じゃあ勝手に頼んじゃうからね？』









やばいやばい。なにも頭に入らない。



俺、いまちゃんとAと話せてる？笑えてる？








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