夕空の約束 (ページ36)

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あれ以来、宏光に会いたくなくて。

気づいたら退院の日を迎えてたみたい。

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今回の数学のテストは頑張ったつもりなのに
放課後藤ヶ谷先生にまた呼び出された。

もう来ないと思ってた学習室に行き

『数学ダメでした？』

「あ、違う違う。今日は補習じゃないよ。」

『え？』

「また北山となんかあっただろ」

安心したのもつかの間、思わず固まった。

なんで先生はいつも気づいちゃうのかな…

思い出すだけで悲しくなる。

「おい、木村？」

気づいたら涙が出ててもう止まらなくて。

その瞬間、ふわって体が包まれた。

「ねえ、そんなに北山のこと好きなの？」

耳元で囁かれて気づいた。

先生に今ハグされてる……。

『わかんないよ…っ』

「俺なら絶対に木村のこと悲しませないよ？」

『えっ？』

びっくりして顔を上げると、指で涙を拭ってくれた。

「こんなのダメってわかってるけど、もう木村のこと生徒として見れないかも」

頭が回らなすぎてなに言ってるかわかんなくて。

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ポカーンとしてると
先生の顔が近づいてきて、ちゅって唇が触れた。

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