【王様だーれだ?】[3] ページ42
そのあとは、特に珍しい命令も出なく、膝枕やモノマネなど無難な命令が告げられ、そして淡々と行われた
「王様だーれだっ」
「あ、やったっ。俺だ!」
もう耳に馴染んだ掛け声のすぐあとに、原嬉しそうに手をあげ、瀬戸くんの膝の上で寝転びながら、そう主張する原くん
そういえば、原くん王様なってなかったけ…と原くんの喜びっぷりに納得のいく答えを探すなか、原くんは何の迷いもなく命令を告ぐ
「やっぱ、王様ゲームといえばキスでしょ!5番と6番がキスね!」
待ってました!と言わんばかりのキラキラと輝く顔で言う辺り、最初からコレを狙っていたのかと呆れる
私が呆れるのも、その筈。私が持った割り箸には、5番と記された数字があった
他の人とキスしたら悪童さんが怖いんですけど…と、暫し頭を抱えながら6番が名乗り出るのを待つと
「…俺だ。」
「えっ。」
そう名乗り出たのは、真。…なら、何も心配することはないじゃないかと捉えた私は、一切躊躇わずに名乗り出た
「なんだー、真かぁ。良かった。」
「Aかよ。ん、こっちこい。」
真が、手で「来い。」と示したため大人しく、そして何も恥じらうことはないので、少しも躊躇わずにキスを待つ
「いやちょっと待って!ちょっと待って!」
「あ?命令はモノマネじゃねーぞ。」
「いや、ラッスンゴレライじゃなくてさ!」
何故か自ら望んだ命令を止めるように言う原くん
こっちは、サッサと済ませて終わりたいというのに何なのだろうか。私は、原くんをいぶかしげな目で見る
原くんは、そんな私の視線に見向きもせずに、私達に制止を必死に求めた
「俺は!何もリア充のこなれたようなキスなんて見たくねーの!嫌々キスするところが見たかったのにいいいぃぃ!」
「…真、早く。」
「あぁ。」
ちゅ、と原くんの割と最低な反論を掻き消すようなリップ音は、小さいながらも原くんの声よりよく響いた
目を開け、原くんの方を見れば、はああぁ…と長い溜め息をついた原くんがいた
そんな原くんに、私は静かな声で問う
「…王様ゲーム、続ける?」
「……いや、いいわー…」
こうして、王様ゲームは終了した
そして、このメンバーで王様ゲームをすることは二度と無かったという
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KANA(♀)(プロフ) - 白(化け猫)さん» コメントありがとうございます!お気に召していただけて、嬉しいです。これまで、コメントしてくださり嬉しかったです!ありがとうございました! (2015年5月6日 20時) (レス) id: 976ac7df53 (このIDを非表示/違反報告)
白(化け猫)(プロフ) - お疲れ様でした!面白かったです! (2015年5月6日 18時) (レス) id: b17f2b3f84 (このIDを非表示/違反報告)
KANA(♀)(プロフ) - はきゅさん» コメントありがとうございます!貴方の思いやり溢れるコメントに、いつも励まされました。ここまで読んでくださり、本当に感謝しています!他の作品でも、自分のペースではありますが、頑張って更新しようと思います! (2015年5月6日 9時) (レス) id: 976ac7df53 (このIDを非表示/違反報告)
はきゅ(プロフ) - お疲れ様でした。これからも、無理はしないで他の作品でも頑張ってください。 (2015年5月5日 22時) (レス) id: cc6f053009 (このIDを非表示/違反報告)
KANA(♀)(プロフ) - すもももももももものうちさん» 辻さん出させていただきました!私も、ヤンデレッぷりというかメンヘラッぷり描くの楽しかったです!リクエストありがとうございました! (2015年2月22日 17時) (レス) id: d8c1d54596 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:KANA(♀) | 作成日時:2014年11月25日 22時