青い瞳【クローリー】

episode6 ページ8

化け物は先端が刃物のように尖った触手で周りの建物を破壊しながら、子供に迫っていた。

子供は腰が抜けたようで、地面に座ったままで動こうとしない。

すると化け物が子供に狙いを定めたように触手を振り上げた。





『···！まずい！』







すぐさまビルから跳躍し、そのまま化け物を蹴り飛ばした。

バキッ と音がなり、吹き飛んでドォォン と横の建物にのめり込んだ。




子供の方を見ると、最初はのめり込んだ化け物に驚いていたものの、私を見ると直ぐに怯えた表情になり涙を浮かべながら叫んだ。








子供｢うわぁぁぁぁ!!来るな!来るなぁぁ!!｣









子供のあまりの怯えように何事かと驚いたが、どうやらこの子の恐怖は私に向いているようだ。





『大丈夫よ。私はキミに危害は加えない。』


子供｢嘘だ!!僕を捕まえて血を吸って殺すつもりなんだろ吸血鬼!!｣





子供は腰を抜かしながらも、私から逃げようと腕を使ってズルズルと後退している。

えーと···吸血鬼？この子は私をその吸血鬼だと思っているからこんなに怖がっているのか。

謎が解けたところで、子供に近づき目線を合わせるようにして膝をおる。






『私はキミが思っているその吸血鬼？じゃないから殺したりしないわ。大丈夫よ落ち着いて。』



ほら牙もないから吸えないわー。と口を開けて子供に見せると、子供は触るようにして口を覗き込むと安心したのか落ち着きを取り戻したようだ。





子供｢ほんとだ···。牙もないし、よく見たらお姉ちゃんの目赤くない...。｣



『ふふっ、信じてくれたのならよかったわ。』



子供｢え、でもだったら！お姉ちゃんなんであんな強いの！？もしかして帝鬼軍の人！？｣



帝鬼軍？初めて聞く名前だけどこの子の目のキラキラを見る感じでは、凄い所なのかしら。





『ごめんね、私は帝鬼軍の人ではないの。ターミナルに向かってたら迷ってしまって気がついたらここに。』



私が帝鬼軍ではないと知ると、少し肩を落としたが直ぐに顔を上げ、



子供｢お姉ちゃん迷子なの？僕も迷子なんだ！ターミナルって言うのは僕分からないから協力出来ないけど···｣



『え、ターミナルを知らないの？』



子供｢うん！知らない！ターミナルって何？｣









·····嘘ー。









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長いですー

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