屠所の羊 Ep.18 ページ39
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私と二人でいるところを知られたら何があるか分からないから別の場所でジミンとホソクの二人で会うらしい。
その間、私はここでジミンの帰りを待つ。
「……だめ、繋がらない」
スマホを耳につけ、少し焦ったような表情を浮かべる
『ホソク、まだ練習中だからじゃない?少し待てば折り返し電話かかってくるよ』
そうか、と一転して安堵の表情に変わり耳からスマホを離す
焦るのも仕方ない。何が起こるか分からない中、じっとしているだけで私もずっと落ち着けないでいるし。
「ん?なんの音?」
ソファにもたれかかっていたジミンが急に体を起こした。
『どうしたの?』
「なんか鍵の音しませんでした?」
『そう?』
テレビの音にかき消されてたのか、私には聞こえなかった微かな音。
怖いからちょっと見てくる、と立ち上がったジミンに、好奇心から私も便乗し何も考えず玄関の近くまでついて行った。
「…っ……!」
ドアを見るなり 一歩下がったジミン
『………なに』
「ヌナ、寝室行って、早く!!」
背中を押され、その押す力がかなり強いことに気づいた。
彼の指示に従い体の向きを変えたところで、予想もしなかった声が耳に入り思わず足がもつれそうになった
「……A?」
何十年も聞き続けた声。私の耳に染み付いたその声。
体から嫌な汗が出始め呼吸が荒くなり始めたところで ジミンの手が私の背中から離れた。
振り返ると、純白の壁に飛び散る赤い液体。
その液体は私の顔にも飛びかかった。
『……っ…、………あ…ああ…』
壁に押し付けられるジミン。
そのジミンの首を指が食い込むほど力強く押さえていたのは、
ホソク。
「お前………殺す」
たしかにそう聞こえた。
目の前の光景に声を出すこともできず、腰が抜け ただ震えることしかできなかった。
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綺螺 - リアル・ニナイタ・ミタイデス (2020年3月9日 4時) (レス) id: 63cd4095fc (このIDを非表示/違反報告)
ぴょんてユラちゃん - 怖いけど泣けますね(・∀・) (2018年7月23日 18時) (レス) id: 1ab187734f (このIDを非表示/違反報告)
みお(プロフ) - 怖かったけど、面白いのでついつい先読みしたくなっちゃいました笑笑 (2018年4月7日 11時) (レス) id: 6ed9e5bdcb (このIDを非表示/違反報告)
くろぷけ(プロフ) - 初めまして!!!本当に愛が深くそれと同時に闇の深さを味わえる作品でした!!!衝撃的な部分ばかりで正直夜中に見るべきものじゃなかったですwwあまりの衝撃に「えぐ...」と声に出してしまいましたが、とても面白かったです!!!!!!(^ω^ (2018年3月31日 23時) (レス) id: d5c421cc77 (このIDを非表示/違反報告)
あゆた(プロフ) - リソヌさん» 初めまして!そういった感想をいただけて嬉しい限りです。゚(゚´ω`゚)゚。 番外編もいつか投稿しようと考えていたところだったので、もし書ければ投稿しようと思います^^ (2018年3月17日 16時) (レス) id: 7bc4b60aae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あゆた | 作成日時:2018年3月11日 21時