屠所の羊 Ep.15 ページ36
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帰路につき、自宅へ向かう途中
そういえば明日もバイトだったと思い出してスマホを取り出し、ジョングク君の連絡先を探した。
『あれ……？』
ない
『……嘘でしょ………』
何度も見直して確認をする
『いない……うそ…っ…なんで…….っ！』
また一人…人が消えた。
血が出るほど、強く唇を噛み締めた。
今のこの状況に動揺するしかなく、動揺していても何が起こっているのか途端に理解してしまう自分がいた。
否定したくてもできない。
真っ先にホソクに電話をかけた。
遊び なんて言葉では片付けられない
『……もしもし』
「珍しいね、Aから電話かけてくるなんて」
私とは対照的に落ち着いた声
この声に怒りを超えた感情が生まれた
『ジョングク君のアカウントが…なくなった…』
「うん」
『消したの、ホソク…？』
「さすがだね、頭の回転が良くて」
表情こそ見えないが、通話している向こうで彼が口角を上げた姿が想像ついた
「早いとこ片付けちゃおうと思って。要らないから、さ」
『意味わかんない……っ…』
「要らないものは捨てるでしょ？」
『ジョングク君は、物じゃない、！』
叫んでも、届かないのは分かってる
「消したのはアカウントだけじゃないよ」
「その、ジョングク？って奴も消したから」
その言葉を聞いた瞬間
白い壁に赤い液体が飛び散るのが脳内に浮かんだ。そして男の叫びにならない呻き声。
赤黒いその液体は重力に従い、下へ集まりやがて池のように広がった。
その池の上を平然と歩くもう一人の男の姿。
足裏についた赤い液体は影のように男に付いていき、床に赤色の足跡を残す。
ホソクはすでに私に予告していた。
＿＿＿また来たいけど、Aが働いてる時に来るのはなんか照れくさいからやだな
”Aが働いてる時に来るのは”
つまり私がバイトじゃない日に行くのが彼の目的だった。
全く気づけなかった自分に腹が立った。
口の中に広がり続ける血の味。
屠所の羊は 殺されるしか道がない
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綺螺 - ﾘｱﾙ･ﾆﾅｲﾀ･ﾐﾀｲﾃﾞｽ (2020年3月9日 4時) (
レス) id: 63cd4095fc (このIDを非表示/違反報告)
ぴょんてユラちゃん - 怖いけど泣けますね(・∀・) (2018年7月23日 18時) (レス) id: 1ab187734f (このIDを非表示/違反報告)
みお(プロフ) - 怖かったけど、面白いのでついつい先読みしたくなっちゃいました笑笑 (2018年4月7日 11時) (レス) id: 6ed9e5bdcb (このIDを非表示/違反報告)
くろぷけ(プロフ) - 初めまして!!!本当に愛が深くそれと同時に闇の深さを味わえる作品でした!!!衝撃的な部分ばかりで正直夜中に見るべきものじゃなかったですwwあまりの衝撃に「えぐ...」と声に出してしまいましたが、とても面白かったです!!!!!!(＾ω＾ (2018年3月31日 23時) (レス) id: d5c421cc77 (このIDを非表示/違反報告)
あゆた(プロフ) - リソヌさん» 初めまして！そういった感想をいただけて嬉しい限りです｡ﾟ(ﾟ´ω`ﾟ)ﾟ｡ 番外編もいつか投稿しようと考えていたところだったので、もし書ければ投稿しようと思います＾＾ (2018年3月17日 16時) (レス) id: 7bc4b60aae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あゆた
| 作成日時：2018年3月11日 21時
