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可愛さ余って憎さ百倍.4 ページ19

『戦後、行き場をなくし彷徨っていた私を松平公が拾ってくれたの』
近藤「あの鬼若子が....」



Aは過去の話を少し話した。
しかし自分の師である吉田松陽と戦後に自分を捕らえた奈落については伏せて。


時が来たら言おう。
そう決めていたのだ。


『こんな奴と一緒に居たくないでしょう。今すぐにでも松平公へ交渉して私の入隊を取り消し__』
土方「何勝手なこと言ってんだ」


入隊を取り消せと言い出したAに土方はそう返した。
すると黙っていた近藤が口を開いた。


近藤「俺らの仲間になっちまったんだ。此処にいる奴らは色んな過去がある。過去に囚われる必要ってあんのかな」


真剣な顔から一点、笑って言ってみせる近藤。


近藤「過去は戒めるものであって縛るものじゃねぇと俺は思う」
『近藤さん....』


この優しさはお日さまに照らされたみたいに気持ちがあったかくなる。
まるで先生の様だ....とAは思った。


沖田「Aさんと対戦した時に只者じゃねぇことは分かってらァ」
土方「その道から足洗ってんだ。気にするな」



優しさなどというものも、彼にすれば、愛と同じに消耗しない固形物のような存在に思われるのであろうか。
Aはそう思いながら少し溢れた涙を笑いながら拭った。

師であり親である.1→←可愛さ余って憎さ百倍.3



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作者名:たらんちゅらん | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=f429723d20d469671ae73cdd3305960c...  
作成日時:2020年8月12日 22時

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