＊23 ページ25
noside
｢…ぇ…大宰さんが､いなくなった…？｣
中也とAがアジトに着き報告をしに
向かおうとした所、何かアジトが
慌ただしくなっていた。
そこに芥川から織田作之助が亡くなり
太宰がそのまま消えた事を知った。
｢そうだ、僕＜ﾔﾂｶﾞﾚ＞も周辺をくまなく探したが
見つからなかった｣
｢織田さんが…太宰さんも…｣
動揺を隠しきれず身体が震える(A)に
中也が落ち着かせようと背に手を添える。
｢A､落ち着け。あのジさつ願望ヤローが
そんな簡単にヤラれるハズはねぇ｣
｢では、なぜ太宰さんは消えた？｣
｢それは…彼奴が何考えてんのか分からねぇ、
分からねぇが少なくとも姿を消さなきゃならねぇ
理由が出来たんじゃねぇか？｣
｢…太宰さんが私を置いていった…？｣
それからのAは生気を失ったように
しゃべる事も動く事も出来ずにいた。
ーー中也side
太宰が居なくなりしばらく経つが、
一向にAの状態が良くなる事はない。
俺も毎日顔を出してはいるが、
心ここに在らずだ。
｢中也くん、Aくんの様子はどうだい？｣
｢相変わらずです｣
｢そうか…相当置いてかれた事がショックだったみたいだね。彼女にとって太宰くんは恩人であり飼い主でも
あったから、捨てられた猫の気分なのだろうね｣
恩人で飼い主…
｢首領、Aはどうやったマフィアに入ったんですか？｣
｢おや？何も聞いてないのかい？
Aくんは太宰くんが拾ってきたんだ。
暗い路地に餓死状態だったよ｣
｢拾った、とは聞いていましたが
そんな状態だったのか…｣
それで太宰が恩人…
居場所を与えて部下にってとこか。
｢中也くん｣
首領の真剣な目と声に、はい。と答える。
｢君が良ければ太宰くんの代わりになってあげなさい｣
太宰の代わり…
元々そのつもりではあるのだが、
代わりという言い方が気に食わない。
俺が、
｢代わり、にはなれません。が、
俺が居ればそれで良いようにしてやります｣
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 16人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：猫 | 作成日時：2018年10月24日 2時
