最強と元最強【五条悟】

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『五条』





五条「どうかな」





私が呪詛師に狙われていたことを知ってたんだろと確認する意図を込めて呼んだけれど五条は肯定しない。





『…私が呪術師に復帰してから任務がないことと関係ある？』





五条は私のことをコアラだと言って馬鹿にするけど、私だって一応は名のある家の当主。




呪術界、術式、呪いに関することなら知らないことの方が少ないし、それなりに頭は回る方だ。





『五条はツンデレだけど、私のこと気遣ってくれるし、たまには優しいじゃん』





屑だけど。





『何も言わないのはそういうことだって、私を守る為だって解釈していい？』





五条「ちげーよ。Aには関係ない。だから何も答えないの」





『関係ない？笑わせんな。あの女が私に呪具を向けてきた時点で関係大アリだわ、ド阿呆』





関係ないだなんて白白しいにも程があるだろう。




呪詛師の狙いは五条ではなく私。




何かしら知っているであろう五条が狙われている私に何も言わないのは下手に干渉させない為じゃないの？




自分だけで片付けるつもりでいるから私には何も言わない。





『五条が最強だってことは近くで見てきて追い抜かれた私が一番よく知ってる。けどな、私にだって自衛するだけの力はあるんだよ』





五条に守ってもらわなきゃいけない理由なんて何一つない。





五条「…っ、お前何してんの」





そう言った五条の服の表面は、私の術式の所為で少しだけ凍っていた。





『海外から戻って来たばかりで疲れてんだろ。術式を出しっぱに出来ないくらいには。…で、恐らくは私の分の任務もこなしてる。また体調崩す気か？お前は。……私はね、お前の負担を増やす為に戻って来たんじゃねぇんだよ、クソ五条』





五条の胸倉を掴む。




そのまま勢いで押せば、五条はあっさりと私に押し倒されて。





『…言って。私は呪詛師に狙われてる？いつから？理由は？』





私が本気だと分かったらしい五条は私に押し倒されたままの状態で溜め息をついた。





五条「理由を僕に聞くなよ。…お前の首に一億掛かってる」




『へぇ。私の首が高が一億？ムカつくな』





そもそも人の命を金の為に奪うなって話だけど。

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