最強と元最強【五条悟】

☆責任の跡 ページ31

家入「おはよ、A」





『…硝子のこと呪いかけたよマジで』





翌朝何事もなかったかのように挨拶してきた硝子をじろりと睨む。





家入「口移しで酔わせたって知ったらテンパるかと思って。私なりの気遣いだよ」





『嘘つけ。絶対意地悪でしょ』





硝子は態とらしくそんなわけないじゃ〜んと言うが、これは確定でクロだな。





家入「…それ、五条にやられた？」





『それ？』





首を傾げる私。





家入「気付いてなかったのかよ。はい」





そう言って硝子は私に鏡を渡してきたので、不思議に思いながらも鏡の中に映る自分を見る。





『……………ゑ』





首周りに赤い跡。




それも一つではなく数カ所に。




私の服は一応首元まで隠すことができるので、一気にファスナーを上まで閉めた。





家入「やったの？」





『付き合ってないからやってない！！付き合ってないのにこういう跡付けるアイツも屑だけど、されるがままの私も屑じゃん！！』





っていうかいつ付けられた？




昨日の夜のことはぶっちゃけ何も思い出したくはないが思い出さなければこの疑問は解決しない。





五条(…A、口開けて)





『あぁぁぁぁぁぁぁぁ…っ！！！爆ぜろ！！昨日の出来事もクソ五条もぉぉぉお！！！』





五条(そういう顔は悪くないよね、お前)





思い出すのは無駄に整ったクソ五条の顔と恥ずかしくなるような甘い言葉ばかり。




いつ跡を付けられたかなんてとても思い出せそうにない。





『もうやだ…お嫁に行けない…こんなんじゃ男にだらしないとか言われても否定できないじゃん…』





家入「いっそ五条に貰われればいいじゃん」





『私のことを一途に愛してくれなさそうだし、扱いが酷いからやだ』





家入「前半は完全に偏見だよね」





一夫多妻制の時代なら、間違いなくアイツは数多の女を侍らせていたであろう。





家入「五条に跡付けられて嫌だった？」





硝子は私の目を見て優しく問い掛けてくる。





『嫌だったって思えないから余計に嫌なんだよぉ…』





好きな人でもないのにキスできるってつまりは私も五条と同じってことでしょ？




罪悪感で死んでしまいそう。

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