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五条「…………」
『…………』
ぽたぽたと赤い液体が地面に落ちる。
全身黒尽くめかつ、目隠しをしている人間が鼻血を出している光景というのはとても非現実的である。
『…ふ、ふふ……っ…ちょ、ごめ……』
悪いのは私なのだから笑うなんて最低な行為は慎むべきだ。
分かっている。
分かってはいても、この溢れ出る笑いを止めることはどうしてもできなかった。
『は、はははっ……!お腹痛い〜…』
五条「……おい」
『……はい』
マジだ。
これはマジで怒っている時の声のトーンだ。
不思議と笑いも引っ込んだ。
五条「……僕はさぁ…同期にはなるべく優しくしようって決めてるから聞いてやるけど。死ぬか半殺しにされるかどっちがいい?」
『うん、どっちも嫌かな』
素早く距離をとる。
五条「じゃあ◯ね。術式反転__赫」
『凝固』
小気味の良い音を立てて氷が砕けた。
『帳も降ろしてないのにぶっ放す馬鹿がいるか!!クソ五条!!!』
五条「うるせぇ、クソコアラ」
視認できる距離に人がいないからといって常識が無さすぎる。
…ん?五条に常識ってあるのか…?
五条「下手に出てやれば調子に乗りやがって」
『そんな瞬間あったか?お前ずっと高圧的だったじゃん、何嘘ついてんだ』
五条「自分の立場分かってないだろ、お前。コアラだし」
『コアラコアラうっせぇんだよ、鼻血男』
五条「よし、殺す」
お互い印を結ぼうとしたその時。
「…何してんすか」
聞き覚えのある声に振り向いた。
『伏黒!?久しぶりじゃん!!』
伏黒「お久しぶりです。……いい歳して常識ないんですか」
五条「恵、ソイツに常識とか求めちゃダメだよ」
伏黒「それは五条先生にも言えてますけどね。常識があるならこんな所で術式使ったりしないし」
尤もな意見である。
『仕掛けてきたのはアイツが先だよ』
五条は既に血を拭き取っていた。
写真撮っとけば良かったな、クソ。
伏黒「知ってます」
『見てたならもっと早くに止めようか』
伏黒「無理ですよ。そもそもこんな街中で殺し合いが始まるなんて誰が予想できるんすか」
それは確かになと五条を睨みながら頷いた。
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刹葉(プロフ) - 雫さん» そうですね。正確に言うと2017年の12月25日に姿を消してます (2021年3月28日 21時) (レス) id: 1a2812ca8a (このIDを非表示/違反報告)
雫(プロフ) - 行方不明になって8ヶ月…。ヒロインが失踪したのは高専を卒業して何年か過ごしてからと言うことですか? (2021年3月28日 18時) (レス) id: f14f35c784 (このIDを非表示/違反報告)
刹葉(プロフ) - るかさん» コメントありがとうございます!最高+大好き+生きる糧だなんて言ってもらえて非常に嬉しいです…!褒め言葉のオンパレードですね(°▽°)これからも頑張るのでよろしくお願いします!! (2020年12月19日 20時) (レス) id: 1a2812ca8a (このIDを非表示/違反報告)
るか(プロフ) - もう最高です、作者様の作品大好きです生きる糧です( ; ; )応援してます! (2020年12月19日 20時) (レス) id: 3f4057723b (このIDを非表示/違反報告)
刹葉(プロフ) - ゆうこさん» こちらこそ読んでいただき、更にはコメントまでいただきありがとうございます!これからも楽しく読んでいただけるよう頑張りますので、宜しくお願いします!(^^) (2020年12月18日 10時) (レス) id: 1a2812ca8a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:刹葉 | 作者ホームページ:http://mobile.twitter.com/fall_0613
作成日時:2020年12月12日 23時