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八十 ページ35

『…いつからいたの?』




五条「今来たところだけど。アリスと何話してたの?」





彼は私にそう聞くと同時に、意識を失った有栖院を背負う。



彼女の意識があれば、喜んだんじゃないだろうか。



好きな人に触れてもらえるというのは、彼女にとっても私にとっても嬉しいことだから。





『悟』




五条「何?」




『好きだよ』





私の少し前を歩いていた彼は立ち止まった。





五条「……は。待って。今のは俺の聞き間違い?」





呪術師最強と言われる彼が動揺している姿はきっと珍しい。



やっぱり彼も人間なんだなと当たり前なことを思って、もう一度言った。





『私は悟が好き。…昔からずっと好きだったんだと思う』





悟の正面に回り込んで表情を窺う。



彼の綺麗な目は、サングラス越しでも分かる程には動揺を隠せていなかった。





『悟の目は本当に綺麗だよね』





幼い頃からずっと思っていたけれど、今まで言えなかったことを改めて彼に告げれば、顰めっ面をされる。





五条「両手が塞がってるこの状況がとてつもなく腹立たしいんだけど。新手の嫌がらせ?」




『好きな人に嫌がらせはしないよ。…悟はするかもしれないけど』




五条「よく分かってんね、俺のこと」




『一人称、戻ってるよ』




五条「あ、うっかりしてた」





そう言って何故か悟は私と同じ目線まで屈む。





五条「キスして」




『は?』





仮にも元婚約者を背負ったままであるというのに、彼の発言はどこまでも自由で…というか自分勝手で。





五条「本当に僕のことが好きならできるでしょ?」





なんて卑怯な言い方。



これで私が彼に口付けをしなければ、好きではないということになってしまう。





『……分かったよ』





軽く息を吸って、それから吐いて、周りに人がいないことを入念に確認してから、触れるだけの短い口付けをした。











五条「…A」




『うん?』




五条「沢山遠回りして時間も掛かったけど、君は自由になれた?」




『なれた。…私はもう人形じゃない。ようやく人間の緋月Aになれたよ』





微笑んだ私を見て、悟も微笑み返してくれる。



嗚呼、幸せだなって。





五条「もう一回キスしてよ」




『もうしない』





口を尖らせた悟の少し前を歩く。









帰ったら恵に聞いてもらおうと呟いた私に、そこは僕の家に直行でしょと悟は言った。

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よっちゃん - すきすぎたやばいですね。。。。。。別の作品も頑張ってください (2月6日 3時) (レス) id: 7291101692 (このIDを非表示/違反報告)
刹葉(プロフ) - レネットさん» コメントありがとうございます!アリスのことを好きになっていただけて作者は嬉しいです…レネットさんの心を満たせるような小説を書けていたなら心から良かったと思います(^^)こちらこそ読んでいただきありがとうございました! (1月6日 11時) (レス) id: 1a2812ca8a (このIDを非表示/違反報告)
レネット(プロフ) - 最初読んだとき、アリスちゃん嫌な奴だな…と思ってたけど最後まで読んだらアリスちゃんを好きになっしまった…。そして七海のハンカチを差し出すという紳士的な振る舞いがカッコよすぎて心が満たされました。面白かったです。ありがとうございます。 (12月31日 23時) (レス) id: ec8ec8961f (このIDを非表示/違反報告)
刹葉(プロフ) - ccndayoさん» コメントありがとうございます…!とても嬉しいです。ccndayoさんの好みに合う小説を書けていたなら、良かったです(^^)こちらこそ読んでいただきありがとうございました! (12月28日 12時) (レス) id: 1a2812ca8a (このIDを非表示/違反報告)
ccndayo(プロフ) - 読ませて頂きました。もうホントに素敵すぎて途中途中感情移入しちゃって涙が出ました。小説も夢小説もたくさん読んできましたが私のどタイプな内容でした…。素敵な作品をありがとうございます (12月27日 22時) (レス) id: 625a5cfc03 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:刹葉 | 作成日時:2020年12月1日 16時

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