六十四 ページ19
Aside
今日の任務の相手___有栖院扇はどこか機嫌が良さそうだった。
現場に向かう間もずっと。
彼女と組むのは初めてだったが、彼女と今までに組んだことがある七海は、もう2度と組みたくないですねと言っていた。
理由を聞けば、終始不機嫌だからだ、と。
それは七海相手に限ったことではなく、誰が相手でも…正確に言えば五条悟以外が相手なら誰でも。
それなのに何故彼女は機嫌が良いのか。
気にならないわけではなかったが、彼女に聞くのも面倒なのでそのままにしていた。
有栖院「やっぱ弱いなぁ、準1級」
有栖院はもう動けなくなった呪霊を、自身の呪具で突きながら言う。
有栖院「ね、そう思わない?」
『……そうですね』
有栖院「あ、ごめん。私にとってはそうでも、貴方には恐怖の対象だよね。だって3級なんだもん」
分かりやすい挑発に乗ってやる必要はないかと彼女に背を向けて、誰も使わなくなった建物を出る。
そんな私の後を有栖院は慌てて追いかけて来て。
有栖院「無視しないでよ、冷たいなあー。悟みたい」
『そうですか』
私の後をついて来ていた筈の有栖院が不意に立ち止まる気配を感じた。
有栖院「3級の呪術師を殺すならさ、準1級の呪霊でいいかなって思ってたんだけど」
殺気。
『っ!!』
私が先程まで立っていた場所はドロドロと溶け始めていた。
?「チッ…躱したか」
真人「漏瑚、鈍ったんじゃない?」
真人を含め、その数は3。
火山頭と木のような呪霊。
どちらも報告にあった。
有栖院「…準1級じゃ優しすぎるし、私の気分が晴れないから
『内通者だったか…』
恵に危害を与えられなかったのは幸いだったけど、4対1は少しキツイ。
『…あんたがこいつらと手を組むメリットなんてないだろうに。バレたら五条悟との婚約もナシになるでしょ。……あ、そうか。婚姻する気は向こうにはないんだっけ?』
煽れば有栖院は先程まで浮かべていた笑みを消した。
有栖院「潰す!!!」
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よっちゃん - すきすぎたやばいですね。。。。。。別の作品も頑張ってください (2021年2月6日 3時) (レス) id: 7291101692 (このIDを非表示/違反報告)
刹葉(プロフ) - レネットさん» コメントありがとうございます!アリスのことを好きになっていただけて作者は嬉しいです…レネットさんの心を満たせるような小説を書けていたなら心から良かったと思います(^^)こちらこそ読んでいただきありがとうございました! (2021年1月6日 11時) (レス) id: 1a2812ca8a (このIDを非表示/違反報告)
レネット(プロフ) - 最初読んだとき、アリスちゃん嫌な奴だな…と思ってたけど最後まで読んだらアリスちゃんを好きになっしまった…。そして七海のハンカチを差し出すという紳士的な振る舞いがカッコよすぎて心が満たされました。面白かったです。ありがとうございます。 (2020年12月31日 23時) (レス) id: ec8ec8961f (このIDを非表示/違反報告)
刹葉(プロフ) - ccndayoさん» コメントありがとうございます…!とても嬉しいです。ccndayoさんの好みに合う小説を書けていたなら、良かったです(^^)こちらこそ読んでいただきありがとうございました! (2020年12月28日 12時) (レス) id: 1a2812ca8a (このIDを非表示/違反報告)
ccndayo(プロフ) - 読ませて頂きました。もうホントに素敵すぎて途中途中感情移入しちゃって涙が出ました。小説も夢小説もたくさん読んできましたが私のどタイプな内容でした…。素敵な作品をありがとうございます (2020年12月27日 22時) (レス) id: 625a5cfc03 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:刹葉 | 作者ホームページ:http://mobile.twitter.com/fall_0613
作成日時:2020年12月1日 16時