三十九 ページ40
五条「どこからどう見たらこれが浮気になるわけ?君の目は腐ってんの?アリス」
冷静さを取り戻したらしい五条悟は何事もなかったかのようにパッと私の腕を離し、辛辣な言葉を並べた。
有栖院「ひっど。まあそういうところも好きなんだけどさ」
有栖院はそのまま五条悟との距離を詰めて、彼の腕を抱いた。
有栖院「いつになったら結婚してくれるの?」
私の前でわざわざ婚姻の話をしてくるあたり、彼女は私を目の敵にでもしているのだろう。
五条「残念だけど、今のところそんな予定はないかな」
だったらなんでいつまでも婚約なんてしているんだと思ったけれど、疑問を口にしたところで軽くあしらわれるだけ。
そんな気がした。
有栖院「なんで?他に好きな人でもいるの?誰?」
五条「僕がしつこいの好きじゃないって知ってるよね?僕は君との関係を終わりにしても全然構わないんだけど」
なんて冷たい言葉達。
ただでさえ彼の声音は冷たいというのに。
有栖院「……ごめんなさい」
素直に謝って彼女は五条悟から離れた。
彼女はきっと五条悟に好意を寄せている。
けれども五条悟にその好意を受け取る気が全くないというのは誰が見ても明白で。
有栖院を昔の私と重ねてしまう。
『有栖院様__』
有栖院「うるさい!」
頬に痛みが走る。
彼女の術式によるものだと気付いたのは数秒後。
五条「……アリス、今自分が何したか分かってる?」
私と彼女の間に割って入った五条悟は、何故か私にではなく有栖院に敵意を向けていた。
有栖院「なんで?私はずっと悟のこと想ってきたのに!」
五条「……自分が想ってるからって相手も自分を想ってくれるわけじゃない。そんなことも分からないほど君が幼いとは思ってなかったんだけどな」
有栖院は私を睨んでからバカと吐き捨てて走り去ってしまう。
『五条様、良かったんですか?婚約者でしょう?』
私の言葉に彼が答えることはなかった。
代わりに返ってきたのは
五条「残るほどの傷じゃないか」
どこか安堵したような声と、私の頬に触れる手。
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茜雫 - 書いている世界観が好きで何度も読んでいるので閲覧数の15分の1は私かもしれないです笑 (2020年11月29日 22時) (レス) id: e0dca7bd69 (このIDを非表示/違反報告)
刹葉(プロフ) - 茜雫さん» えぇ!前作から見てくださっていたんですか!?ありがとうございます!とても嬉しいです…これからも面白いと思ってもらえるよう、無理せず頑張ります!コメントありがとうございました!! (2020年11月29日 18時) (レス) id: 1a2812ca8a (このIDを非表示/違反報告)
茜雫 - 初めまして!続きを楽しみに読みながら…何度も読み返してます笑前作同様、とても面白い内容なので、続きが楽しみです!無理せず更新頑張ってください! (2020年11月29日 18時) (レス) id: e0dca7bd69 (このIDを非表示/違反報告)
刹葉(プロフ) - いーすとさん» コメントありがとうございます!世界観が好きだと言ってもらえて嬉しいです。前作とは少し違う感じに書きたいなと思っていたので…これからも頑張らせていただきます!!ありがとうございます!! (2020年11月29日 16時) (レス) id: 1a2812ca8a (このIDを非表示/違反報告)
いーすと - なんか世界観がめちゃ好きです!これからも頑張って下さいね!読み続けます!! (2020年11月29日 15時) (レス) id: e22cc70c93 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:刹葉 | 作者ホームページ:http://mobile.twitter.com/fall_0613
作成日時:2020年11月27日 21時