三十八 ページ39
五条「なんで傑を助けた」
目の前には今にも術式を使って私を殺しそうな五条悟と表情の読めない夜蛾先生がいる。
『…助けたわけじゃありません。…実際五条様が殺したでしょう』
五条「お前、自分の立場分かって__」
夜蛾「A。お前の行動は許されるものではない。本来呪詛師は処刑対象。それを助けたと上層部に知られれば、お前もタダじゃ済まない。最悪処刑される」
夜蛾先生の言い方からして、まだ上層部はこのことを知らない。
夜蛾先生なりの優しさなんだろう。
『…助けたわけではありませんが、私が呪詛師であろうと術師殺しだろうと、大切な人であれば助けようとする人間だってこと五条様は知っていますよね?』
それでも彼は私を殺さなかった。
昔の判断が気の迷いだったのなら私は今殺されるかもしれない。
『私は殺されますか?』
夜蛾「……いや、上層部には報告しない」
『そうですか』
夜蛾「ただ2度目はないと思っておけ」
『はい』
笑顔で頷き部屋を出る。
五条「お前は死にたい願望でもあるわけ?」
一緒に部屋を出てきたらしい五条悟が背後からそんなことを問いかけてきて。
『今はないですよ。母や恵のこともあるし』
五条「だったら__」
『五条様にとって私の行動は死に急いでいるようにしか見えないかもしれませんが』
だって彼と私ではあまりにも見えている世界が違いすぎる。
『あそこで傑君を助けなかったら、私は本当にただの人形になってしまう。それは嫌なんです』
何もかも蒼社の奴らの指示通りに動くのはごめんだ。
五条「だったら!!」
彼は再びそう言って私の腕を掴んだ。
その力は痛いくらい強い。
五条「助けを求めろよ…!辛いって言えよ!!」
『…五条様…?』
どうして彼がそんなことを言う…?
まるで私のことを案じてくれているような発言を何故彼がする…?
有栖院「許嫁がいるのに浮気?悟」
『……有栖院様』
彼女はいつも重要なところで私の邪魔をする。
私と五条悟の関係は呪われているのだろうか。
ここまで邪魔が入るとそう思わずにはいられなかった。
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茜雫 - 書いている世界観が好きで何度も読んでいるので閲覧数の15分の1は私かもしれないです笑 (2020年11月29日 22時) (レス) id: e0dca7bd69 (このIDを非表示/違反報告)
刹葉(プロフ) - 茜雫さん» えぇ!前作から見てくださっていたんですか!?ありがとうございます!とても嬉しいです…これからも面白いと思ってもらえるよう、無理せず頑張ります!コメントありがとうございました!! (2020年11月29日 18時) (レス) id: 1a2812ca8a (このIDを非表示/違反報告)
茜雫 - 初めまして!続きを楽しみに読みながら…何度も読み返してます笑前作同様、とても面白い内容なので、続きが楽しみです!無理せず更新頑張ってください! (2020年11月29日 18時) (レス) id: e0dca7bd69 (このIDを非表示/違反報告)
刹葉(プロフ) - いーすとさん» コメントありがとうございます!世界観が好きだと言ってもらえて嬉しいです。前作とは少し違う感じに書きたいなと思っていたので…これからも頑張らせていただきます!!ありがとうございます!! (2020年11月29日 16時) (レス) id: 1a2812ca8a (このIDを非表示/違反報告)
いーすと - なんか世界観がめちゃ好きです!これからも頑張って下さいね!読み続けます!! (2020年11月29日 15時) (レス) id: e22cc70c93 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:刹葉 | 作者ホームページ:http://mobile.twitter.com/fall_0613
作成日時:2020年11月27日 21時