二十一 ページ22
『他に聞きたいことは?』
夏油「悟の…」
『五条悟関連には答えられない。事情があるから絶対』
傑君は五条悟と仲がいい。
それは編入して短時間で分かった。
そんな彼に五条悟関連を話して、本人に伝われば自ずと蒼社の奴らにも伝わる。
どう転んだとしてもメリットにはならない。
夏油「………悟は」
そこまで言ったというのに傑君は口を噤んでしまう。
夏油「…いや、何もない。悪かった」
『…?』
彼が何を言い掛けたのか気にならないわけではなかったけれど、踏み込んで聞くほどの仲でもない。
『傑君、私が任務中どうだったかとか聞かれても特に変わったことはなかったって答えてほしい。あと私が呪霊を祓ったってことも秘密』
取り敢えず面倒なことに発展しそうな可能性は潰しておくに越したことはない。
『私の実力を知ってる人は傑君を含めて3人だけだからくれぐれも内密に』
夏油「3人?私を含めて?」
『さっきの術式見た奴は全員殺してるから』
夏油「…」
『と言っても呪霊と呪詛師しかいないんだけど』
私の実力を知っているのは傑君、母、そして甚爾の3人だけ。
母に至っては3年会っていないから実力を知っているというのは違うのかもしれないけれど。
でも母は私に、将来絶対に強くなると言ってくれていた。
夏油「もし全てを口外したら?」
『傑君と口外した相手を殺すかな』
躊躇いなく言い切った私を見て彼は一瞬怯んだように見えた。
躊躇いなく言っておけば彼も軽率に口外したりはしないだろう。
術式云々を口外されたところで死活問題になるかと聞かれればNoと答える。
ただ、“五条悟関連には事情があるから答えられない”という私の答えに関しては、本人に知られるわけにはいかない。
知った本人が万が一にも蒼社家に事情を聞きに行ってみろ。
余計なことをしたなと母の解呪をやめるに決まっている。
最悪な展開を予想していた私に傑君は言った。
本当に唐突に。
夏油「もう1つだけ聞かせて欲しい。…君は人形か?」
一瞬言葉を失って。
(お前は人形かよ)
『………そう。Aって名前があるだけの…ただの人形だよ』
懐かしい声が頭の中で反響した。
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茜雫 - 書いている世界観が好きで何度も読んでいるので閲覧数の15分の1は私かもしれないです笑 (2020年11月29日 22時) (レス) id: e0dca7bd69 (このIDを非表示/違反報告)
刹葉(プロフ) - 茜雫さん» えぇ!前作から見てくださっていたんですか!?ありがとうございます!とても嬉しいです…これからも面白いと思ってもらえるよう、無理せず頑張ります!コメントありがとうございました!! (2020年11月29日 18時) (レス) id: 1a2812ca8a (このIDを非表示/違反報告)
茜雫 - 初めまして!続きを楽しみに読みながら…何度も読み返してます笑前作同様、とても面白い内容なので、続きが楽しみです!無理せず更新頑張ってください! (2020年11月29日 18時) (レス) id: e0dca7bd69 (このIDを非表示/違反報告)
刹葉(プロフ) - いーすとさん» コメントありがとうございます!世界観が好きだと言ってもらえて嬉しいです。前作とは少し違う感じに書きたいなと思っていたので…これからも頑張らせていただきます!!ありがとうございます!! (2020年11月29日 16時) (レス) id: 1a2812ca8a (このIDを非表示/違反報告)
いーすと - なんか世界観がめちゃ好きです!これからも頑張って下さいね!読み続けます!! (2020年11月29日 15時) (レス) id: e22cc70c93 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:刹葉 | 作者ホームページ:http://mobile.twitter.com/fall_0613
作成日時:2020年11月27日 21時