三十五 ページ36
夏油「おっと…危ない危ない」
『…それ以上何か話すようなら前みたいに逃したりできなくなるけど』
夏油「前回は見逃してくれたってことか」
『追おうと思えば追えたからね』
五条「どういうつもりでここに来た」
私と傑君の会話に割って入ってきた五条悟はとても機嫌が良いとは言えなかった。
夏油「宣戦布告さ。お集まりの皆々様!!耳の穴かっぽじってよーく聞いて頂こう!!!来たる12月24日!!日没と同時に!!我々は百鬼夜行を行う!!!」
百鬼夜行とは深夜に妖怪や異形のものが群れをなして行動するというようなものだった気がする。
詳しくはないから自信をもって言えはしないが。
夏油「場所は呪いの坩堝、東京_新宿!!呪術の聖地_京都!!各地に千の呪いを放つ。下す命令は勿論“鏖殺”だ」
傑君の呪霊操術であれば、百鬼夜行の再現も難しくはないだろう。
夏油「地獄絵図を描きたくなければ、死力を尽くして止めにこい。思う存分呪い合おうじゃないか」
そこで傑君の傍にいた女の子がお店が閉まると声を上げた。
夏油「お暇させてもらうよ。いやはやあんな猿の多い所の何が…」
五条「このまま行かせるとでも?」
夏油「やめとけよ。かわいい生徒が私の間合いだよ。それでは皆さん戦場で。…A、私は本気だ」
彼はそう言い残して高専から去る。
『……』
呆然と空を眺める私に声を掛けてきたのは真希だった。
真希「Aさん呪具扱えたんだな。しかもそれ…」
特級呪具だろと彼女は言った。
『扱えるというか、あの人の戦闘スタイル上、扱わざるを得なかったというか…』
あの人?と真希は首を傾げるが、彼女との会話が続くことはなかった。
五条「蒼社、なんで黙ってた?」
私を見下ろす五条悟は恐らく怒っている。
彼が私に声を掛ける時は大体不機嫌だと決まってはいたが、ここまで機嫌が悪いのは久々だった。
『…報告の必要はないと思ったので』
五条「それはお前が決めることじゃないだろ。何回言わせるつもり?…今後は些細なことでも必ず僕に報告しろ。分かった?」
『はい。申し訳ありません』
彼には頷いて見せたけど、きっと私は今後も報告しない。
だってそれが原因で彼らが殺し合うことになったら私は嫌だから。
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茜雫 - 書いている世界観が好きで何度も読んでいるので閲覧数の15分の1は私かもしれないです笑 (2020年11月29日 22時) (レス) id: e0dca7bd69 (このIDを非表示/違反報告)
刹葉(プロフ) - 茜雫さん» えぇ!前作から見てくださっていたんですか!?ありがとうございます!とても嬉しいです…これからも面白いと思ってもらえるよう、無理せず頑張ります!コメントありがとうございました!! (2020年11月29日 18時) (レス) id: 1a2812ca8a (このIDを非表示/違反報告)
茜雫 - 初めまして!続きを楽しみに読みながら…何度も読み返してます笑前作同様、とても面白い内容なので、続きが楽しみです!無理せず更新頑張ってください! (2020年11月29日 18時) (レス) id: e0dca7bd69 (このIDを非表示/違反報告)
刹葉(プロフ) - いーすとさん» コメントありがとうございます!世界観が好きだと言ってもらえて嬉しいです。前作とは少し違う感じに書きたいなと思っていたので…これからも頑張らせていただきます!!ありがとうございます!! (2020年11月29日 16時) (レス) id: 1a2812ca8a (このIDを非表示/違反報告)
いーすと - なんか世界観がめちゃ好きです!これからも頑張って下さいね!読み続けます!! (2020年11月29日 15時) (レス) id: e22cc70c93 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:刹葉 | 作者ホームページ:http://mobile.twitter.com/fall_0613
作成日時:2020年11月27日 21時