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翌日、私は傑君に言われたことについて悶々と考えていた。
『……完璧…』
それは私が昔から目指してきたもので、そう言われる為に努力してはきたが、実際言われてみても何も感じなかった。
おかしい。
好きな後輩に褒められて好きとまで言われたのに。
「二条さん、実は今日教えてほしいことがあって…この後僕の部屋に来て欲しいんだけど…ダメかな?」
これがクラスメイトに言われたことなら何も感じないことにも納得がいく。五条悟に言われたなら嘘つくなと反論するだろうし。
「二条さん?」
『あ、うん』
何かを言っていたらしいクラスメイトに生返事をし、再び頭を回す。
というか待てよ。
傑君の言葉について考えるのも大切だし、優先事項ではあるけど、五条悟の彼女のフリについても考えなければいけなかった。
どうしよう。私の素がバラされても、彼が言っていた一部の人間以外は信じないだろうけど、万が一のこともある。
彼女のフリを受け入れて、裏で手を回し、さっさと先輩とくっつけるか?多分出来なくもない。
五条悟の欠点はあの腐りきった性格だ。
だから“先輩といる間だけでも猫を被れ”とでも助言すれば、顔はムカつくレベルで良いんだから付き合えるだろう。
五条悟が本当に先輩が好きで、体だけの関係で終わらせるつもりがないならこの提案を受け入れる筈…
五条「せんぱーい」
そもそもなんでこの時期なんだ。先輩が卒業するまで、もう一年もないのに。
『あー…もう…』
ため息をつきたくなるが、誰が見ているか分かったものじゃないから、私はそそくさとその場を後にした。
腐りきった性格の後輩とお気に入りの後輩の存在に気付かないまま。
五条「は?無視されたんだけど。普通彼氏のこと無視する?」
夏油「私の助言が効いたのかもしれないな」
五条「助言?何言ったんだよ」
夏油「悟と別れた方がいいと言っておいた」
五条「はぁ?!何勝手なこと言ってんだよ!ふざけんな!」
夏油「私は至って真面目だけど」
五条「…取り敢えず表出ろ。言い訳は外で聞く」
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刹葉(プロフ) - みかさん» コメントありがとうございます!個人的には不安ばかりで、そんな嬉しいことを言ってくださる方がいるとは思ってもおりませんでした…!ただただ嬉しいです、ありがとうございます!!これからも楽しんでいただけるような小説が書けるよう精進します!!✌️ (2022年2月18日 21時) (レス) id: 1a2812ca8a (このIDを非表示/違反報告)
みか(プロフ) - コメント失礼します。完結お疲れさまでした…!!最後の夢主ちゃんの自分の気持ちに気づく描写大好きです…!刹葉さんの書く文章凄く凄く好きで、これからも応援してます!コメント失礼しました〜!! (2022年2月18日 20時) (レス) @page43 id: 38ecdec85a (このIDを非表示/違反報告)
刹葉(プロフ) - kanameさん» コメントありがとうございます!ひぇぇ…嬉しいです…!このコメントを見て私もニヤけてます(( これからも楽しんでいただけるよう頑張ります(о´∀`о) (2022年2月5日 3時) (レス) id: 1a2812ca8a (このIDを非表示/違反報告)
kaname(プロフ) - 私「先生、ニヤけが止まりません」私「諦めなさい」私「OK」という脳内会議を毎回してますwww更新楽しみにしています! (2022年2月5日 1時) (レス) @page21 id: 7565f8d7cb (このIDを非表示/違反報告)
刹葉(プロフ) - ちゃんちゃさん» コメントありがとうございます…!更新楽しみにしてくださって本当嬉しいです!性癖に刺さったのなら良かった…期待に応えられるよう、これからも頑張ります!^ ^ (2022年2月1日 21時) (レス) id: 1a2812ca8a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:刹葉 | 作成日時:2022年1月27日 15時