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五条「♪〜♪〜♪」
隣を歩きながら鼻歌を口遊む五条君。
昔は私が五条君を振り回していたというのに、今となっては私が五条君に振り回されている。
五条「傑、お前の顔見てなんて言うと思う?」
『もう私は五条君の前で夏油君のことを考えません』
思い出すのは地獄であり天国でもあった朝の時間。
ただでさえキス経験が浅い私にとって、角度を何度も変えてされるキスだとか、深すぎるキスだとかは辛過ぎた。酸素不足で何度死にかけたか。
目は肥えたけど。
だから地獄でもあり天国でもあったと表現したわけで。
五条「残念。僕の前で夏油君って言ったからアウト」
『え!?それは聞いてな…ん"んっ…!』
強引過ぎやしないだろうか、この人。あとここ高専の廊下ですが。誰かに見られたらどうするんだ。
夏油「朝から盛るなよ、悟。見苦しい」
『あっ、えっ、夏油君…』
五条「あ"?いいとこで邪魔すんなよ、傑。Aに選ばれなかったからって嫉妬か?ガキだな」
夏油「へぇ。私とAがキスしたと思い込んで蓬と一晩明かした奴の台詞とは思えないな。ガキはそっちだろ」
五条「はっ、喧嘩売ってんの?」
夏油「売ってきているのはそっちじゃないか。まぁ、買ってあげてもいいんだけど」
もうやめてください…お願いします…そう思いながら五条君の服の裾を引っ張れば、それに気付いた五条君が私に笑みを向ける。
五条「どしたの?A。そんな不安そうな顔しなくても僕は負けないから大丈夫だよ?」
いや、そんな心配してないんですよ。高専の建物が壊れるかもって心配はしてるけど。
夏油「やはり悟はAのことを全然分かってないね。彼女は悟の心配をしているんじゃなくて、私達が喧嘩してしまった時の被害を心配してるんだよ」
『流石ゲットゥー、ビンゴ』
夏油「やはりね。安心していいよ、A。喧嘩を買う気はないから」
『そ、そう…?あの夏油君、昨日はすみませんでした。どうしても眠れなくて…帰っちゃって』
夏油「いいよ、気にしてない。私が寝た後のことなんだから、実質泊まって行ってくれたようなものだろ?」
ここに仏様がいらっしゃいます。誰かお供えものを用意してください。というか私に用意させてください。
五条「おい、僕以外の男に見惚れてんじゃねぇよ、クソぶりっ子」
『嫉妬なんて可愛__お口チャックします』
殺される気がしたのでね。
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chiaki0708(プロフ) - テンポよく最後まで楽しく読みきれました!!また作者さんの違う作品も見に行きます! (2022年1月9日 9時) (レス) @page39 id: 26a665cc7a (このIDを非表示/違反報告)
七不思議零番たんでち - 作者さん!!!!これは御願いなのでやらなくてもいいんですが… 後日談(仲良し一年ズも出てくる)つくってほしいです!!!! 素晴らしい作品をありがとうございました!!!! (2021年4月3日 3時) (レス) id: 94bc23990d (このIDを非表示/違反報告)
柿助 - 完結おめでとうございます!作者様が書く夏油の切なげな恋が大好きでした!お疲れ様でした! (2021年3月31日 7時) (レス) id: fedb05499d (このIDを非表示/違反報告)
るーり - 完結おめでとうございます!なんだか、とても楽しめるお話でした!!作者様、最高!!! (2021年3月22日 14時) (レス) id: 7ac2a7ec47 (このIDを非表示/違反報告)
宮夢(プロフ) - 完結おめでとうございます!お疲れ様でした!次回作も楽しみにしています! (2021年3月21日 15時) (レス) id: 84aaee8034 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:刹葉 | 作者ホームページ:http://mobile.twitter.com/fall_0613
作成日時:2021年2月24日 18時