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『あの、取り敢えず…寝たいんだけど』
五条「あー…そういえば昨日…っつーか一昨日?寝てないんだっけ。なんで?」
『なんでって…五条君が帰って来ないかそわそわしてたから』
五条「………ぐっすり眠れるようにしてあげるからAは一言いいよって言って」
『うん、絶対言わない』
いくら私がオールで馬鹿になってしまっていたとしても、五条君の言う通りにするのはダメだ。
それだけは分かる。
五条「言えよ」
『そういうのはぁ、恋人同士ですることだから☆』
五条「は?」
『え?』
デジャヴを感じるぞ?
五条「僕達恋人同士でしょ?」
『え?そうなの?』
五条「いや、そうだろ。そうじゃなかったら逆に僕達どういう関係だよ」
『………』
本当に今更だけど、この場合どういう関係になるんだろうね。シンプルに考えれば結婚相手だけども。
五条「黙るな」
『…マジで恋ってなんなんだ』
五条「結局そこに戻るのかよ」
こればかりは仕方ないじゃないか。大真面目に分からないんだから。
五条「まぁ、でも」
五条君は私の頭に手を置いて、それはもう優しく撫でてくれた。
飼い主に撫でられる犬の気持ちが今分かった気がするよ。
五条「Aが傑のところに行かないって分かっただけで十分か。帰って来てくれて良かった」
そう言って五条君は嬉しそうに笑ったのだ。私もあまり見たことがないような、穏やかで綺麗な笑み。
あぁ…やっぱりいつでも五条君の顔は国宝級だ。
『今の一瞬で気付いた』
五条「何を?僕が好きだってこと?」
『…五条君が私以外の女性にそういう笑顔向けてたら嫌です』
五条「!」
これは五条君への恋心から芽生えてしまった独占欲なのか、将又恋心よりも先に芽生えた独占欲なのか。
後者だとしたら私は最低の中でも最低である。
だって好きではない癖に独占したいとは思っているってことだから。
五条「今まで手を出さなかった僕を褒めてやりたいよ。そもそも今キスしていない時点で僕大分凄いと思うんだけど」
『立ったまま寝落ちしない私のことも褒めてくれていいんだよ。もうマジ寝そう』
五条「今日のところは勘弁してやるけどさ。結婚するまでに覚悟しといた方がいいよ?…というかしとけ」
“じゃないともたないから。僕のことが好きすぎてね”とウインクした五条君。
ナルシストってこういう人のことを言うんだなって思いました。
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chiaki0708(プロフ) - テンポよく最後まで楽しく読みきれました!!また作者さんの違う作品も見に行きます! (2022年1月9日 9時) (レス) @page39 id: 26a665cc7a (このIDを非表示/違反報告)
七不思議零番たんでち - 作者さん!!!!これは御願いなのでやらなくてもいいんですが… 後日談(仲良し一年ズも出てくる)つくってほしいです!!!! 素晴らしい作品をありがとうございました!!!! (2021年4月3日 3時) (レス) id: 94bc23990d (このIDを非表示/違反報告)
柿助 - 完結おめでとうございます!作者様が書く夏油の切なげな恋が大好きでした!お疲れ様でした! (2021年3月31日 7時) (レス) id: fedb05499d (このIDを非表示/違反報告)
るーり - 完結おめでとうございます!なんだか、とても楽しめるお話でした!!作者様、最高!!! (2021年3月22日 14時) (レス) id: 7ac2a7ec47 (このIDを非表示/違反報告)
宮夢(プロフ) - 完結おめでとうございます!お疲れ様でした!次回作も楽しみにしています! (2021年3月21日 15時) (レス) id: 84aaee8034 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:刹葉 | 作者ホームページ:http://mobile.twitter.com/fall_0613
作成日時:2021年2月24日 18時