ぶりっ子VS最強__延長戦

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No side




五条「馬鹿！！桃奈のバーカ！！バレてんじゃん！」




如月と夏油のいる場所から大分離れたかというところで五条は振り向き様にそう言った。




あまりにも稚拙な言葉を吐く姿は普段の五条からはかけ離れている。




蓬「いやいやいや…バレたのは絶対悟の態度の所為だよ。夏油君の家に泊まるってなった時に“好きにしろよ”って言っとけば完璧だったのに」




五条「それは無理。絶対無理だし、許さない」




蓬「許さないなら戻らないと。多分もう夏油君の家に泊まる流れになってるよ。如月さんと夏油君がキスするような仲なら悟に勝ち目ないんじゃない？大人しく私と付き合おう」




五条「無理。嫌だ。Aが傑と一緒になるくらいなら殺してやる」




他人と関わるというのはいつの時代も難しいものである。




少しのタイミングのズレ、言葉の受け取り方など、些細なことで関係が悪化したり好転したりする。




如月と五条の関係が良い例で、五条が臆することなく如月に夏油とのキスに関して問い詰めていればこんなことにはならなかっただろう。




これは五条の勘違いから始まってしまった話なのだから。




蓬「怖…関係性が昔とは逆だよね…」




五条「僕は昔から桃奈の顔よりAの顔の方が好みだよ」




蓬「そんなこと聞いてねぇよ。…てかどうするの？このままだと本当に如月さん取られるよ」




五条「いっそ昔みたいに冷たくしてみるかな」




蓬「悟は嫌われたいの？」




五条「嫌だな。違うよ。これは逆張り」




蓬桃奈はこの時、余裕があるのか余裕がないのかはっきりしろよと思ったそうな。




五条「それに今冷静になって考えてみるとちょっとおかしいんだよ」




蓬「何が？」




五条「傑とAの発言。多分あれはまだキス以上のことはしてないね」




五条がおかしいと思ったのは夏油の“男女が二人で一つ屋根の下で過ごす意味分かってる？”という発言と、Aの“いつも強いと言ってくれたまえ、心友よ”という発言。




蓬「今夜そこまで発展するかもよ？」




五条「ないない。Aはそういう行為には抵抗があるタイプ…というか奥手なタイプだからね。じゃなきゃ、とっくに僕と一線超えてるよ。僕のイッた顔見たがってたから」




蓬「…私はなんてコメントすればいいの」




五条「聞き流してくれていいよ」




この瞬間、蓬は如月には色んな意味で敵わないと悟った。

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