逃げたいぶりっ子VS逃したくない最強《呪術廻戦》

五条ルート1 ページ37

五条side





五条「チッ…ハズレか」





如月のマンションに来たのはいいものの、残念ながら唯一の手掛かりである残穢は確認出来なかった。




ここで考えられる可能性としては、傑との約束を忘れて外出し、連絡が取れないのは気付いていないか、バッテリーが切れているからというのが一つ。




といっても可能性は低い。




一日で約束を忘れるほどの馬鹿じゃないだろうし、連絡があっても気付かないというのは考え難い。




バッテリーを切らすなんて論外。




二つ目の可能性は、傑が言っていたように呪詛師、或いはその他の人物に捕まったか。




残穢が確認出来ないということは、如月はここで呪力を使わなかったということになる。




呪詛師が相手なら抵抗しなかったのは何故か。




抵抗する前に捕まるほどの強い相手だったのか、抵抗せずに捕まったのかの二択。




抵抗せずに捕まったのなら、相手が呪詛師だとは限らなくなる。





五条「傑からの連絡もなし…と」





なんの手掛かりもない状態から捜し出すしかない。




抜け駆けはなしだと言ったけど、傑がそれを守るかなんて分からないから僕が見つけないといけない。




まぁ僕が見つけた場合は抜け駆けするんだけど。




だって結婚の答えを聞かなきゃいけないから。






・





2005年____10月





夏油「あぁ。でも今のところそんな様子はないよ」





自室に戻ろうとしていた俺が見たのは自身の部屋のドアに凭れて笑いながら誰かと電話している傑だった。




そんな傑の姿を見たことがなかった俺は相手が誰なのか気になって声を掛ける。





五条「傑」





傑は俺に気付くと片手を上げた。




それが少し待って欲しいという意味だと分かっていたから、俺はそれ以上話すことなく、傑の話が終わるまで待つことにして。





夏油「悟が来たから切るね。体調には気を付けろよ、A」




五条「！！」





傑は今確かにAと言った。





夏油「悟、私に何か用か？」





携帯をポケットにしまって聞いてきた傑の表情は穏やかで、そんな傑に対して俺はただ、嫉妬のようなものを抱いた。





五条「なんで如月の連絡先知ってんだよ。硝子も知らねぇっつってたのに」




夏油「一緒にいた時間が長かったからね。悟が連絡先を知りたがってたってAに言っておくよ」




五条「俺を勝手に知りたがりにするな」





…別にあいつの連絡先とかいらねぇし。

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