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五条side
(好きな人に見て欲しくて、好きになって欲しくてやってる人もいるんだよ。毎日可愛くなる為に頑張ってんの)
そんなの知らねぇよ。少なくとも俺が見てきた女の中にはいなかった。だから如月も一緒だと思ってた。
五条「………如月?」
さっきまで聞こえていた筈の声が聞こえなくなって、後ろを振り向くが如月の姿はない。
五条「チッ…!あいつ…!」
早足で来た道を戻れば黒髪が見えた。
五条「おい、お前何して…」
「お兄さぁん!!」
俺と目が合った瞬間抱き着いてきた女の声は俺が嫌いな甘ったるい声を発し、強すぎる香水の匂いが鼻につく。
「この子お兄さんの連れならぁ…お兄さんが責任取ってよ。…そのカ・ラ・ダ・で・♡」
五条「巫山戯んじゃ___」
『その汚らわしい手を五色君から離してください?』
俺が突き飛ばす前に女は離れていて、伸びてきた手が俺に触れることはなかった。
『ぶりっ子=常識がないって思われるからやめてください。イケメンとそういうことしたいならホストクラブ行けばいいんじゃないですかね』
聞いたことのない如月の冷たい声。本当に如月Aかと疑いたくなるのは今日で何回目か、もう分からなくなっていた。
「はぁ?そもそもあんたが私に…」
『酷いよぉぉぉ…!ちょっとぶつかっただけなのにぃ…!なんでそんな酷いこと言うのぉ!!Aはちゃんと謝ったじゃん!』
「なっ…!!」
急な出来事に俺も女も思考が追いつかず、言葉を発することが出来なかった。
俺がよく知っている___いつもの大嫌いな如月だ。
『確かにAはぶつかっちゃったけどちゃんと謝ったよね…?なのになんで慰謝料払えなんて言うの…?Aまだ高校生なのに…』
「っ!このクソ女!!」
女は流石にまずいと思ったのか如月を睨んで罵った後、人混みの中に消えた。
五条「お前…」
『ぶりっ子やっぱ嫌い?』
五条「……………嫌い」
なんで即答出来なかったのか。
死ぬほど嫌いだっただろ。
なのに如月の少し困ったような笑みを見たら言葉に詰まってしまった。
五条「…どっちが本当のお前?」
『どっちも如月Aだよ』
如月に対する感情は嫌悪だけで良かった筈なのに。
それなのに如月のことをもっと知りたいと思ってしまった。
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chiaki0708(プロフ) - すごくすごーーーく面白いです!!面白すぎます!!早速続編行ってきます! (2022年1月9日 8時) (レス) @page37 id: 26a665cc7a (このIDを非表示/違反報告)
とうみん(プロフ) - は!?おもしろ!!!何この作品!!?最高ですね。(語彙力低下) (2021年2月23日 10時) (レス) id: 3cb4113b8b (このIDを非表示/違反報告)
エナ - ぴえ…すごい好きです!主様のキャラは全てに魂が宿っているというか、なんかこう凄く好きなんですよね!ひたすらに面白いです!続編楽しみにしてます! (2021年2月13日 16時) (レス) id: bf74a846b3 (このIDを非表示/違反報告)
まりもはまりも(プロフ) - 続編希望です!!! (2021年2月11日 11時) (レス) id: 74a93495a7 (このIDを非表示/違反報告)
如月(プロフ) - 私と同じ苗字でびっくりです…今日如月2回見ました笑 (2021年2月11日 2時) (レス) id: 85ad8c6978 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:刹葉 | 作者ホームページ:http://mobile.twitter.com/fall_0613
作成日時:2021年2月4日 22時