十一* ページ12
五条の屋敷に滞在することが決まった翌朝、まだ覚醒しきっていない頭を起こす為に自分が置かれている状況を整理してみる。
私は先日___正確に言えば一ヶ月と半月前くらいから頻繁に体調を崩すようになってしまった。
最初はちょっとした咳や一時的な頭痛だけだったのに、一週間前、私はついに倒れてしまって。
父は有名なお医者様に私を診させたが、原因は分からず終いだった。そんな時父が私に話してくれたのが五条悟さんのこと。
父の話によれば、彼は不治の病も治せる凄い人なのだとか。けれどそれ以上は何も教えてくれなかった。
どんな人なのか、何処に住んでいるのか、私は此処に来るまで何も知らず、父と悟さんの関係が良いものではないこと、こんな街外れに住んでいたことを今になって知ったのだ。
でもこんな街外れに住んでいるというのにこの屋敷は綺麗で広いし、女中の方も見かけた。悟さんの身分は決して低いわけではないのに、どうして?
一番早いのは父に聞くか悟さんに聞くという方法だが、父は帰ってしまって此処には来ないし、悟さんは昨日の様子からしてまず教えてくれないと思う。
五条(取り敢えず君の部屋は用意させたから普段はそこで過ごしなよ。部屋の外に出るな、なんて言うつもりはないけど、お嬢様には少し刺激が強いかもしれないからおすすめはしないね)
(悟さんはこれからどうなさるのですか?)
五条(僕は箱入り娘な上に無知な君と違って忙しいから部屋に戻るよ。それじゃ)
流石の私でも馬鹿にされているのは分かったし、無闇に部屋を出るなと釘を刺されたことにも気が付いた。
だから昨日の申の刻以降悟さんには会っていない。
一ヶ月間此処で過ごすなんて私に出来るだろうか。まだ一晩しか明けていないのに既に不安な気持ちでいっぱい。
『はぁ…』
「雅様、おはようございます。朝餉をお持ち致しました」
ため息をついた瞬間襖の向こうから女中さんの声がして、私は慌てて襖を開ける。
女中「昨夜はゆっくり休めましたか?」
『お陰様で。ありがとうございます。…あの、悟さんのことについて聞きたいんですが…』
悟さんにも父にも聞くことが出来ないなら第三者に…と考えて私は女中さんから聞くことにした。
女中「五条様の?」
女中さんは首を傾げた。
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?(プロフ) - 今までで1番好きなお話に出会えて本当に幸せですㅠㅠ感情移入し過ぎて自分までもが懐かしい気分になってしまい不思議な感覚でした笑主様の文章力ありすぎて考察もしやすかったです、がち尊敬です!素敵なお話ありがとうございました🥹💗💗 (3月17日 7時) (レス) id: 0539db3d38 (このIDを非表示/違反報告)
刹葉(プロフ) - えねごりらさん» ありがとうございます…!次回作も楽しみにしていただければ…!!(o^^o) (2022年1月26日 17時) (レス) id: 1a2812ca8a (このIDを非表示/違反報告)
えねごりら - 完結おめでとうございます!!!名作すぎるので何度も読み返します笑次回作も楽しみです!! (2022年1月26日 15時) (レス) @page42 id: 71d3d1284f (このIDを非表示/違反報告)
刹葉(プロフ) - えねごりらさん» えねごりらさんコメントありがとうございました…おかげさまで変な終わり方にはなりましたが完結できました…!本当励みになっていたので心からの感謝を申し上げますッ!! (2022年1月26日 1時) (レス) @page42 id: 1a2812ca8a (このIDを非表示/違反報告)
えねごりら - すれ違ってる…切ないが溢れ出てます!!ヽ(゚д゚ヽ)(ノ゚д゚)ノ!!更新お疲れ様です(о´∀`о) (2022年1月25日 21時) (レス) @page35 id: 71d3d1284f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:刹葉 | 作者ホームページ:http://mobile.twitter.com/fall_0613
作成日時:2022年1月17日 20時