付きまとってくる18 ページ22
勘というか、何というか。
そういうものは、悪ければ悪いほどよく当たるモノで。
「………なーんで私の席にわんちゃんが座ってんのさ」
「あっ、来たなブ………ん"ん、………佐々木!おはよう!」
翌朝登校した私を出迎えたのは、もう馴染みと言ってもいいこの顔。
……わんちゃんだった。
「はいおはよ。でも邪魔だからとっとと退いてくんないかな」
「おうっ」
嫌に従順だ。何なんだろうこの胸のざわめきは。嫌な予感しかしないんだけど。つかこんなキャラだっけ。
つかそもそもクラス違うだろ。何でお前がここにいんだよ。
………しかもさっきから私の席の横から動こうとしないし。
「ねえわんちゃん、いつまでここにいんの?」
「は?ずっとに決まってんじゃん」
何言ってんだコイツみたいな視線が飛んでくる。いやそれ私がしたいからね。何言ってんだコイツはお前だから。
ずっとって何ずっとって。
「そりゃまあ、他クラスだから限りはあっけどー……休み時間とか?あ、昼休みもだな。おっ、ラッキー今日また体育あんじゃん!よっしゃまたバスケしよーぜ!今度は負けね……」
「待てコラ止まれ一旦止まれ」
キラキラと目を輝かせて捲し立てるわんちゃんを手を掲げて制止する。
頭の上にクエスチョンマークを浮かべて首を傾げる彼女を、あざといなー、可愛いなーなんて思ってしまったのは多分気の迷い。
「つか私は昨日言ったよな?人の事初対面からブス呼ばわりするような女は御免だって」
「?だからブスって呼ぶの止めたじゃん。あ、名前呼びがいいのか?」
ちっげぇえよそうじゃねえ何だお前脳内お花畑か。
久々についていけない人間に会った気がする。
…………あ、いや違うもう一人いたわ。
「つーか、あたし気付いたんだよ!別にアンタがあたしの事友達って思ってくんなくてもあたしが勝手にあんたに付きまとえばいいかなーって」
………何その理屈わかんねえよ何にもよくねぇ。
てか何、え、付きまとうってお前まで、まさか、
「アンタのこと気に入ったの!これからよろしくな!」
(切実によろしくしたくねえ)
……開き直ったバカは強い。
いつか、白布がそんなことを言っていたっけか。
あぁその通りだ。強い。強すぎる。
もう反論する気も湧かないほど。
「好きにすれば………いいんじゃないの……」
それだけ言って私は大きな大きな溜め息をついた。
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美島 - さとりん好きすぎな自分にとってサイコーの癒しです。 (2019年2月14日 23時) (レス) id: 93c27981be (このIDを非表示/違反報告)
友菜 - 親に内緒でスマホ弄ってたけど笑い堪えるの大変だった (2018年11月4日 16時) (レス) id: bdd3fb14b0 (このIDを非表示/違反報告)
千弘(プロフ) - 今読み終わりました!!白布とサトリンのバチバチ感?とかわんちゃんとの絡みとかめっちゃ好きです!!続編も楽しみです!! (2018年1月14日 14時) (レス) id: 99ade87467 (このIDを非表示/違反報告)
俺の嫁は二次元(キリッ - まだ読んでないけど『毒舌冷淡女子VSゴキブリメンタル男子』であ、これ面白いな。((確信))てなった。 (2017年4月3日 8時) (レス) id: 3614360162 (このIDを非表示/違反報告)
あるま(プロフ) - ハクア@受験生だよ辛い…;;さん» うぁああ、ありがとうございます!お陰さまで続編突入です、頑張ります!!(*´∀`) (2017年1月23日 21時) (レス) id: acdd73370f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あるま | 作成日時:2016年11月12日 20時