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「私、あなたが気に入ったわ。」
え、ちょ、は？
「えぇぇぇえぇ！？人形が喋った！？てゆうか笑って、え、どうゆうこと！？」
「ははは、言いましたでしょう。ソレらは人形と人 半々であると。
ソレらは通称
「ぷ、プランツ・ドール...？」
初めて聞く名詞に困惑している俺をおいて、店主はどんどん話を進めていく。
「お客様はなんと運の良い方でしょう！観用少女は質が良いほど主人を選ぶ。
お客様を気に入った、と言ったこちらの観用少女は
『名人』が作り上げた品でして、当店でも３本の指に入るほどの最上級品でございます。
もしお客様もこの観用少女がお気に召しましたらお売り致しましょうか？」
...気に入った。すごく気に入ってる。
ちら、とその人形 いや 観用少女に目を向けるとまた にこ、と目を細めた。
「ねぇ、あなたは私がお気に召さない？」
髪色と同じミルクティーみたいな甘い声。甘い誘惑。
「ご店主、この子買わせてください。」
即決だった。ここまで綺麗なモノに今後出会えないだろう、という俺の勘。
なんだかんだで結構当たる俺の勘が 買え、と言っていた。
「ありがとうございます。では、あちらでお話を詰めましょうか。」
と、レジ横のテーブルと椅子を指された。
こちら、観用少女のお値段になります。そう言われて出された紙にはとんでもない数字の羅列。
どう見ても人形の値段じゃないだろ......。
いや、でも人形だと言いきれないんだから妥当なのか？
「これは本体価格でして、その他にミルクと砂糖菓子など諸々お買い上げ頂くことになります。」
ミルク..？と俺がこぼすと 必要な栄養素だと思ってもらえれば。と店主。
「他にも必要なものはありますが、韓国の支店にも取扱はありますし、空輸も出来ますのでここで買わなくても大丈夫ですよ。
本体の値段もローンが組めますがいかがいたしましょう？」
軽く新車が買えそうな値段。でもありがたいことに儲かっていて、十分すぎる貯金があるから別に財布的にも厳しくない。
「カードで一括。でもすぐに連れて帰れるんですか？」
「もちろんです。この観用少女の主人はあなたですから。持ち運び用のトランクをつけましょうか？」
お願いします。と短く告げて俺は観用少女と向き合った。
「ねぇ、君はどんな名前がいい？」
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作者名：間宮るぎ | 作成日時：2021年7月25日 16時
