【進撃の巨人】声がない君へ。《1st》 (ページ4)

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第4話ページ4

？『……どうかしましたか？』

『あ…いや、なんでも！

……あ、名前聞いてもいいかな？』

？『いいですよ！

えーっと、オレはエレン…、エレン・イェーガーという者です！』

『エレン君ね！

私はA！』

名前を教えたところでハッと我に返る。

相手は初対面、しかも男子なのに1人でキャッキャしてしまった。

舞い上がり過ぎた…と反省して謝ろうとエレン君の方を向くと、何故かエレンのほおが紅潮していた。

なんか可愛い。

エ「…そ、そんなに見ないでくださいっ｣

照れながら(?)エレン君は顔を隠した。

『ごめん』と云うと『Aさんは謝らなくていいんですよ』と返答されて、更に頭の中が困惑する。

エ『それよりなんでAさんは音楽室に？』

『えーっと、忘れてった楽譜を取りに来てて…』

そうだ、楽譜を取りに来てたんだった。

自分でも忘れていることに気が付き、マヌケだなと改めて自覚。

でもそれくらい話が楽しいのかもしれない、と思うとマヌケなのもいいのではないかとも思えてしまう。

エレン君をみやると驚いた表情をして、

エ『え、さっきピアノ弾いてたのAさんだったんですか？！』

と興奮気味に問われた。

まさか、聞かれてた…？！

エ『あ、えーっと…ストーカーってわけじゃないですよ！

たまたま聞いてたっていうか聞こえたっていうか…』

焦りながら犬のように説明するエレン君を『わかったわかった』と落ち着かせる。

出会ってまだ1時間も経ってないが、エレン君はストーカー気質がないことは勿論、盗み聞きはしないと確信できたから心配する必要もない。

『逆に聞くけどエレン君はどうしてここに？』

私がそう問うと、また困ったような顔をして恥ずかしげに俯いた。

そして、拾うのがやっとくらいの小さな声で発した。

エ｢えっと……、幻滅しないで下さいね……？

実は…迷子なんです｣

『………え？』