『 proclamation of war 22 』 ページ27
――『宣戦布告』
『どうします?
もう、アクマはいないですけど?』
シャランと鳴る【氷華】の飾り。
風鈴を硝子の棒で一回軽く叩いた様な音がした。私の水色の髪が靡く。
伯爵は壊れた家の柱にすとっ……と立った。
「貴女、強いですねぇ〜♥惚れぼれします♥
でも、少し喋り過ぎですねぇ♥
……君は気に入らないですねぇ♥
我輩の何を知ってるんです?我輩の何を見透かしてるんです?♥」
そう言う伯爵に私はくすり……と笑った。
『さぁ〜。貴方の昔話なんて知らないし興味もない。』
「そうですか♥」と答えるとかぼちゃの傘(レロ)をくるり、くるり、と回してある事を決断した様に私に言い放った。
「決めました♥
貴女は絶対私の手で殺します♥」
そう言うと、暗い、暗い影の向こうへ消えて
しまった。その瞬間地面に両足を付ける。
手が震え過ぎて【氷華】も持てない程だった、
すると、ぱさっ……と私の頭に何かが落ちた。
『な、な、な、なんだ!?』
ビビリここに見参!と言った様に産まれたての
小鹿状態のまま私は恐る恐る自分の頭上を触った。さらっとした物。肌触りもいい。
『あっ………』
目の前にはおばあさんに貰った(?)綺麗な布。
すると、おばあさんの声がすっ……と耳に抜けた
「ありがとう」っと。
私はその瞬間全身の力が抜け、地面に頬がへばりついた。そんな事どうでもいい。眠い。
だけど、最後に言わなきゃ………おばあさんに
『助けられなくて……………ごめんなさい。』
その瞬間、すーと目から溢れ落ちた物は
頬を伝いやがて土にしたった。
*
暗い、暗い影の向こう。
千年伯爵は新しいオモチャを見つけた様にイキイキしていた。
「楽しそうだね〜、千年公〜」
ツンツン頭の少女が千年公に笑いかける。
「えぇ、楽しいですよ♥
………あんな、美しく気高い女性を殺せると思うと♥」
血に濡れすぎたバロンの終焉は
きっと、誰も止める事は出来ない。
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作者名:水狼 x他1人 | 作成日時:2015年5月27日 9時