�� - 006 お金や物で本当に豊かになれるのか ページ13
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「童子どもが大人に盾突くなんざ百年はええってもんだ！ 童は大人しく言うことを聞いてりゃいい！ 無駄な反抗されちゃこっちは迷惑極まりないんだよ！」
Aの眉が下がり続けるに反して少年の眉は釣り上がるばかりであった。至極不愉快そうに歯を食いしばり見ず知らずだと言うに助けに入ってくれた見ず知らずの童子の身体を両手で支える。その手に力がこもらないよう加減するのが難しかった。
少し上の目線からガミガミと筋も道理も通っていない、無茶苦茶で理不尽で自分勝手な言葉を投げつけてくる大人の形をした子供を睨みつける。
少年は「それでも男か！」と一層大きく声を張り上げて言い返した。
「男であるなら、男に生まれたなら、強くあるべきだ！ それがお前は己より弱い立場のものに手をあげる！ そんなものは男ではない！」
Aに一瞬視線をやって叫び散らした。この仕草により少年のいう己より弱い立場のものに手をあげる、とはAを指しているのだろうとわかった。
Aの眉がまた悲しげにくんと下がる。
男の顔が真っ赤になって煙が吹き出るのではないかと思う程に熱を増していく。少年の言葉がやはりかんに障ったらしい。よく分からない怒鳴り声を飛ばしつつ、拳を振り上げて二人に迫る。
「君、私はいいから遠くへ逃げろ」
男の拳が空と重なった瞬間だった。
少年は目を丸める。未だに尻を着いている見ず知らずの童子の口から私を見捨てろとも取れる言葉が放たれた。
「できるかッそんな事！」
真っ直ぐな拒否に今度はAが目を丸める番だった。
拳が振り下ろされる。少年は防衛するではなくAに覆い被さった。壁に手を付きAの頭を胸に抱き寄せるようにして。彼もまた見ず知らずの童子を庇った。目を見開くばかりで、よく思考が回らなかったけれど、宍色の毛先に我に返って、咄嗟に立ち上がった。
己より背丈の低い少年に怪我など負わせてはいけない。この子はきっと義勇と仲良しになれる。この子はきっと鱗滝さんの大切な弟子になる。この子はきっと自分の、かけがえのない存在になる。
そんな気がしたから、小さな体をすり抜けて前へ出た。拳の目の前へ両腕を広げて走り出た。
少年の驚愕に満ちた横顔が視界を掠った。それでも止まらなかった。少年は護らなければならない存在である。そう、この身体が認識したのなら。思うのなら。
「思ったのなら───」
Aはギュッと瞼を閉じた。
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ミルクリ - 初めまして。とても面白かったです。続きが読みたいのですが�兇離僖好錙璽匹魘気┐討い燭世韻泙擦鵑�？これからも応援しております。 (2021年9月21日 12時) (
レス) id: 9baecbdda2 (このIDを非表示/違反報告)
コア - 面白かったです �兇離僖好錙璽俵気┐督困韻襪藩�難いです (2021年6月29日 20時) (レス) id: cdf587c2d2 (このIDを非表示/違反報告)
莉亜(プロフ) - すごく面白くて一気に読んでしまいました！！！続きのパスワードって教えてもらえますかね？これからも頑張ってください (2021年5月14日 22時) (レス) id: 6a10e782a2 (このIDを非表示/違反報告)
me(プロフ) - おもしろくてとまらなくなりました！守護聖人IIのパスワード教えていただきたいです！ (2020年12月15日 20時) (レス) id: 833cf0aedc (このIDを非表示/違反報告)
糸針シナ(プロフ) - 楓さん» 楓さん、コメントありがとうございます！ひえ〜嬉し過ぎます…！そんな風に言っていただけて後衛の極みです〜！長編が好きなものでこの守護聖人も他作品もすごく長いですが楽しんで頂けたらと思います！短編もあるので宜しければ覗いて行って下さい〜 (2020年3月11日 8時) (レス) id: 2d5e82106c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：糸針
| 作成日時：2019年10月25日 13時
