�� - 001 神の国はきみたちの心の中に建てられる ページ8
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「A……？ A！」
目が覚めた途端飛び上がり途中転がりながらAの背中に抱き着いた義勇。
元気になったのは良い事だがその猪張りの勢いはどうかと思う。現にAは前方によろめいているし、鱗滝が咄嗟に受け止めに行かなければ義勇諸共倒れていたことだろう。
かなりの衝撃だったろうに穏やかな微笑みを浮かべたAは鱗滝に礼を言ってから振り返った。
鱗滝はAの肩をそっとはなして薪割りに出た。
「義勇。おはよう。元気そうで何よりだ」
「うんっ……でもAは。まだ痛い？ 包帯取れない？」
「嗚呼いや、これは大丈夫だ。気にしなくていい」
右目を細めて口角を和らげる。それでもどこか固く映るAの表情を制限しているのはやはり左半分を覆う包帯が原因で。それが解っているからどうしても安心が出来ないと言うか。Aが自分を心配しないところが痛かった。
義勇はむっと俯く。Aが眉をほんの少し下げる。不揃いに切られた前髪から義勇の顔を覗こうとした時、戸が開いて「A。義勇。出るぞ、支度をしろ」と蒔を右腕に抱えた鱗滝が声をかけてきた。
勇気を振り絞って、言葉を今にも伝えよう出そう届けようとしていた義勇は呆気にとられたように口を開いていたが、Aは鱗滝とこの一晩で相当打ち解けたのか義勇に向けるのと変わらない声色で頷いていた。
───それが少年の胸を締め付けた。
「鱗滝さん。何処に向かうのですか？」
「貧困層の集中している町だ。そこで噂になっている子供が一人いる」
「噂に……それはどういった類のもので」
「勿論良いものではない。だから行く」
「はい。わかりました。私に出来る全てでご協力します」
「無理はしてくれるな」
真剣みを帯びた端正な顔立ちで背筋を正すAの頭に鱗滝の手が乗った。ここまで誠実で愚直だと心配性にもなるというもの。
無意識であろうが心地よさそうに頬を解く幼馴染の横顔を義勇は静かに見つめた。お揃いの紅色の羽織を着ているものの、Aの紅色の裾を握るのと己の裾を握るのでは安心感が違った。
義勇はぎゅぅっと縋るようにその羽織を握り締め、Aの歩行に寄り添うように歩を進めている。
狭霧山を出ると一気に視界が晴れた。ふくらはぎがヒクヒクと少々の疲労を訴え始める。しかしAも鱗滝も軽快な歩みを続けていたので黙って着いていくことにした。ここで泣きごとはいえない。
Aに負担をかけたくないと思ったからだった。
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ミルクリ - 初めまして。とても面白かったです。続きが読みたいのですが�兇離僖好錙璽匹魘気┐討い燭世韻泙擦鵑�？これからも応援しております。 (2021年9月21日 12時) (
レス) id: 9baecbdda2 (このIDを非表示/違反報告)
コア - 面白かったです �兇離僖好錙璽俵気┐督困韻襪藩�難いです (2021年6月29日 20時) (レス) id: cdf587c2d2 (このIDを非表示/違反報告)
莉亜(プロフ) - すごく面白くて一気に読んでしまいました！！！続きのパスワードって教えてもらえますかね？これからも頑張ってください (2021年5月14日 22時) (レス) id: 6a10e782a2 (このIDを非表示/違反報告)
me(プロフ) - おもしろくてとまらなくなりました！守護聖人IIのパスワード教えていただきたいです！ (2020年12月15日 20時) (レス) id: 833cf0aedc (このIDを非表示/違反報告)
糸針シナ(プロフ) - 楓さん» 楓さん、コメントありがとうございます！ひえ〜嬉し過ぎます…！そんな風に言っていただけて後衛の極みです〜！長編が好きなものでこの守護聖人も他作品もすごく長いですが楽しんで頂けたらと思います！短編もあるので宜しければ覗いて行って下さい〜 (2020年3月11日 8時) (レス) id: 2d5e82106c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：糸針
| 作成日時：2019年10月25日 13時
