８◆現実の呪縛 ページ9
「違います、寂しくなんか私ホント…っ、」
言葉がフッと消えて涙がにじむ。
その姿に胸の奥が痛くなった。
「あのね…分かるのよ、私」
思わずそう素直に告げていた。
「美沙ちゃんが考えてること…
分かるの本当に、手に取るように」
おそるおそる、といった感じに彼女が私を見る。
その目を見つめてゆっくりと語りかけた。
「寂しいと思ったりしたらいけないって。
そんなこと考えるなんて許されないって…
そう思ってるのよね。違う？」
ハッと見開かれた目に、
みるみるうちに涙が盛り上がる。
「雑誌でも、テレビでも、街中のどんなに小さな広告でも…
その向こうに必ず、透けて見えるものね。たくさんの…」
「本当に数えきれないほどたくさんの…
大勢の『人』の気配が…」
知っている。
分かっている。
彼の笑顔を見る度に痛いほど感じている。
どれほどの人の、どれほどの思いが、
その笑顔の向こうにあるのかということを。
(そして…)
彼の姿を街中のそこかしこで見かける度、
その向こう側にいるであろう人々の気配に、
釘を刺され続けている。
私の存在が今もどれだけの人を傷つけ悲しませているのか、
私がどれだけ彼らに
私がそれを忘れることなど―――
決して、
絶対に、
許されないのだ、と。
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薫子(プロフ) - さやさん» ホント久々に宣言通り走り抜けました！３日の闇は全然残ってるんだけど、やけくそパワーで乗り切れたので結果オーライかな？最後までお付き合いいただきどうもありがとうございました！！ (2019年1月5日 13時) (
レス) id: aa5d845008 (このIDを非表示/違反報告)
さや(プロフ) - 久しぶりの短距離走でしたね？お疲れ様でした！闇が、じゃなくって奥が！深い強いお話でした。3日の闇が残るかｺｯｿﾘ心配してましたが、流石プロだ♪ヽ(´▽｀)/完全内輪の内に入って読ませて頂きました！ありがとうございました！ (2019年1月5日 12時) (レス) id: d0bf1f7a31 (このIDを非表示/違反報告)
薫子(プロフ) - さやさん» 明けましておめでとうございます♪今まで部分的にしか出してこなかった彼女たちの物語ということで、何とかカタチになってよかったです。新鮮に読んでいただけてたら嬉しいな♪二宮の和也氏には早く動くように伝えときますｗ 今年もどうぞよろしくお願いします！ (2019年1月2日 20時) (レス) id: bb4ba45953 (このIDを非表示/違反報告)
さや(プロフ) - 久しぶりにまぁくんちの薫子さんに逢えて嬉しい短編！彼女たちの状況は分からない(←あたりまえ)のに、涙が溢れます！涙で明けた2019年！今年も薫子さんの相葉之雅紀氏に…違うや二宮之和也氏に会えることを楽しみにしています(^^) (2019年1月2日 8時) (レス) id: d0bf1f7a31 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：薫子
| 作成日時：2018年12月27日 10時
