後輩。2 ページ4
それから部活のルールやマネージャーの仕事を一通り、雪絵から教えてもらった。
赤葦くんが2年ながら副主将ということも知った。
でも私、何処かで前に赤葦くんを見たことあるような気がする。
首を捻りながらしばらく考え込むも、答えは一向に出ることはなかった。
ーーーーーー
「はやく着きすぎたな」
はじめての朝練参加。
7:00開始の朝練だが、初っ端から遅刻は非常識だと、
いつもより何本か速い電車に乗って学校へ登校した。
外から体育館を覗くも、当然誰もいる気配はなく。
体育館の入り口に近づき、中を覗くが、人気はない。
何気なく、戸を引いてみると少し入り口が開くことに気付いた。
「あれ、開いてる?」
ゆっくりと体育館に入ると、赤葦くんの姿が目に映った。
「あ、おはようございます。Aさん。」
「おはよう。赤葦くん、部活来るのはやいね。」
「赤葦でいいですよ。」
私の目は見ずに、静かにそう言い放った。
「わかった……。」
なんかこの感覚は久しぶりだ。
男子と2人きりになる感じ。
男子に免疫がない私は居心地が悪いのを避けるために、ドリンクの準備を始めた。
なのに、さっきから赤葦が何か書いている姿が見えて、それが気になって。
「赤葦さっきから何書いてるの?」
気付いたら、自分から話しかけていた。
自分でもびっくりしてる。
男子に慣れてない私が、必要最低限の会話でもないのに自ら話しかけるなんて。
「見せて。」
「どうぞ。」
物腰の柔らかさと落ち着きからの安心感。
だからなのか、話しやすくて近づきやすい。
71人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:みかん | 作成日時:2024年3月26日 21時