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はじまり2 ページ2

「やっぱり?Aも?そうだよねーやっぱ歳上がいいよねー」

「うん、頼れるからね」

私がそう返事した瞬間、りんは手で制服のスカートの埃を軽く払いながら、

「そろそろ帰ろっか」と言って、私達は体育館から離れた。

帰宅中もりんとななは「○○高校のサッカー部にイケメンいるらしい」と、またそういう情報を交換し合っている。

私はその楽しそうな2人を後ろから、ただ黙って眺めながら追っていった。



ーーーーーー

「Aーー」

ゆったりと語尾を伸ばした特徴的な話し方。

「んーなにぃ?」

昨日深夜までゲームしていたせいで、眠い。

机に突っ伏していた身体を起こして、声の主を探せば、それは白福雪絵で。

「どうしたの?雪絵。」

彼女の名前を呼んでみれば、申し訳なさそうな彼女の表情が目に映った。


「あのさ、A。申し訳ないんだけどさ、当分の間バレー部のマネージャーしてくれないかなぁ?」

頭を下げる雪絵に、目を見開く。

「どうしたの?何あったの?」

「実はさぁ、この前GWに合宿したんだけど、もう1人のマネージャーのかおりがさ手を捻挫してさ、ドリンクとか持つのも無理そうなんだよね。」

「かおりが?大変だね。」

「だから監督とかと話し合って、しばらくかおりは捻挫を治すことに専念することになったけど、私だけじゃ辛くて、誰かもう1人ほしいと思ったの。」

かおりこと雀田かおりは雪絵と同じく高校一年生の時に同じクラスになり、それもあって仲良くなった友達である。

当然、休んだ日にノートを取ってもらったり、お弁当を忘れた日に購買で奢ってくれたり、何度も助けられてきた。

いつもかおりには助けられてばかりだしな。

「よし、分かった!私やるよ!」

「ホント?ありがとー」

強豪校のバレー部にマネージャーとはいえ、素人が入るのはいかがなものかと思うが、かおりの日頃の恩返しとして、引き受けることにした。

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作者名:みかん | 作成日時:2024年3月26日 21時

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