〔RKRN〕三つの名を持つ者-第三弾-

見られた ページ19

雷蔵に本当の姿を見られてしまった…


髪と体を洗って湯船に浸かろうとしたら、泡でうっかり滑って尻もちをついてしまったのだ


うぅぅ痛い…


ぶつけてしまったところを摩っていると


雷蔵が勢いよく入ってきてしまったのだ


良かった…体に布を巻いていて


当の本人は顔を真っ赤にして外に飛び出したけど…


気配がまだ扉の外にあるので、きっとうずくまってるんだと思う


見られてしまった


どうしよう


いくら雷蔵には女ということを知られているとはいえ


これはあまりにもヤバすぎる


とりあえず、話をしないと


『雷蔵…まだ居るよね…？』


雷「ｯ…は、はい…」


『あの…私、千景だよ』


雷「ｯ、千景！？」


『うん…これが私の本当の姿なの』


雷「……て事は、君が…A？」


『……そう、私が真霧A……心配して、見に来てくれたの？』


雷「う、うん…ﾋﾞﾀﾝｯて音がしたから、何かあったのかと思って…」


『ごめんなさい…滑って尻もちついちゃって…』


雷「あ、そ、そう、だったんだ…」


『うん…』


どうしよう、この後なんて言えば……


『あ、あの、もう上がるから、外に出て待っててもらえる…かな』


雷「あ、ご、ごめん！すぐ出る！！」


と言ってバタバタと外に出ていった


扉を少し開けて、雷蔵が居ないのを確認してすぐに着替えた


ウィッグとカラコンはしていない


耳飾りも全て外している


ここから千景になるのは雷蔵の目の前でしようと思う


湯殿の扉を開けると雷蔵は待っててくれていた


目が合うと雷蔵はまだ赤かった顔を更に赤くした


『……これが本当の姿だよ』


雷「う、うん…///」


『……部屋に来て欲しい…あ、別にいやらしい意味じゃなくてね！？ただ、雷蔵に私から千景になるところを見て欲しくて…あ、でも授業が』


雷「あ…じゅ、授業ならいいよ///」


『そ、そっか…なら、いこ？』

・




・





・





・

ぎこちなく無言のまま部屋に着いた


そして雷蔵の目の前でいつもの千景に変装した


『…驚かせてごめんな、さっきの事は内緒な？』


雷「も、もちろん！」


雷蔵は目を合われてくれない


少し悲しくなって、雷蔵の頬に手を添えてこちらに向かせた


雷「なｯ////」


『なんで目合わせてくれねーんだよ、今目の前にいるのは俺だ、Aじゃない、な？笑』


雷「う、うん…」


あーあ、これは一日中こんな感じだな


雷蔵も授業をサボったんだ


普通になるまでなんか話すか

放課後→←知っちゃった 雷蔵side

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す