〔RKRN〕三つの名を持つ者-第三弾-

どうすればいい 雷蔵side ページ17

雷蔵side


初めて見た千景の涙


あの時のことが頭に張り付いて離れない


あの時から2日間経ったけど、千景はずっと部屋に閉じこもっている


なぜかはわからないけど


僕に何かできることはあるだろうか


勇気を出して言ったとして、なんて声をかければいい？


大丈夫？それとも何かあったの？


ん゛ー…………どうしたらいいんだー！！


てかそもそも、僕が行っていいのだろうか……


三「雷蔵……雷蔵〜？」


「あ、なに？三郎」


三「何じゃないだろう？千景の事か？」


「…三郎には分かっちゃうんだね」


三「当たり前だ、あいつ、2日間も引きこもって、一体何してんだか……ご飯も食べていないらしいな」


「うん…」


兵「三郎、雷蔵」


「あ、兵助」


三「八左ヱ門と勘右衛門」


八「あいつ、まだ出てきてないのか？」


三「あぁ」


勘「色々あった後に引きこもるとか、世話焼かせるの好きだね〜笑」


兵「勘右衛門、あまりそーゆう事言うな」


八「あれ、そーいえば兵助と勘右衛門は4限目は外だったよな？やっぱ中止か？」


勘「さすがにこの天気じゃ無理だよ、俺はラッキーだけどね笑」


兵「雷も鳴ってるんだ、もしかしたら午後の授業は無しになるかもって噂だ」


三「俺たち上級生は、暗いとこで文字を見るのは慣れてるが」


八「下級生は不慣れだからな〜」


「……雨、どんどん酷くなってるね」


八「あっ！！念の為に、生物小屋見てこねーと！！じゃあな！！」


勘「生物委員会は大変だな〜…まだ早いけど、もう教室行っちゃう？」


兵「行くか」


三「雷蔵、私達も行こう」


「うん…あっ、教科書部屋だ…取りに行ってくる！」


三「早く来いよ〜」




急いで5年長屋に戻った


廊下は雨のせいで結構濡れてる


嫌に思いながらも廊下を滑らないように走った


長屋に着くと、そこに千景が傘もささずに寝巻きのまま、しかも裸足で外に出ていた


「千景ｯ！？ちょ、ちょっと！！何してるの！？」


僕は自分の制服の上を脱いで千景に被せた


「早く中に入ろう！風邪ひいちゃう！！」


肩に手を乗せて行こうと促すが


千景は下を向いたまま動かない


「…千景？」


千景はゆっくりと僕を見た


その目に光はなくって、少しゾッとした


『雷…蔵…』


「早く中に入ろう、ほら」


肩を少し強引に動かして千景を中に入れた

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